vH2O2蒸気濃度および凝縮点

過酸化水素蒸気の ppm が凝縮に及ぼす影響
Joni Partanen
Product Manager
Published:
ライフサイエンス

このブログは、除染用途でプロセスパラメータが過酸化水素蒸気にどのように影響するかについて説明する4部構成のシリーズの最終回です。

第1弾:湿度、凝縮点、および達成し得る最大vH2O2

第2弾:H2O2溶液の濃度比、凝縮点、および達成し得る最大vH2O2

第3弾:除染における温度、凝縮点、および達成し得る最大vH2O2 ppm

このシリーズでは、プロセスパラメータの 4 つの基本的なルールを提案します。 このブログは、4番目のルールに焦点を当てています。 

H2O2蒸気濃度が高まると、空気が保持できる水蒸気の量が減少し、そのため凝縮がより早く発生します。

図7 (ホワイトペーパーに掲載)から、H2O2蒸気濃度が高まると、空気が保持できる水蒸気の量が減少し、凝縮がより早く発生することがわかります。

Image
Figure 7. vH2O2 condensation points at given temperatures and ppm vH2O2 (at each point RS = 100 %, maximum %RH varies according to curves)

図7の各ポイントは凝縮点であり、相対水分飽和度=100%を意味します。温度はX軸、vH2O2 ppmはY軸で表されています。グラフの曲線は、特定の温度とvH2O2のppm濃度での最大相対湿度を示しています。

図に示すように、20°Cで300ppmの過酸化水素の場合、相対湿度は60%になり、相対水分飽和度は100%になります。20°CでvH2O2を600ppmに高めると相対湿度は39%になり、相対水分飽和度は100%になります。

vH2O2濃度が300ppmで気温を 40°C まで上昇させると、相対湿度は87%、相対水分飽和度は100%となります。温度が高いほど、空気が保持できる水蒸気の量が多くなり、相対湿度が高くなります。

過酸化水素蒸気による除染用途で凝縮を制御するための提案ルールを要約すると、次のようになります。 

  • 湿度の初期レベルを下げると、凝縮前に使用できるH2O2蒸気の量が増加します。
  • 温度が上昇すると、空気が保持できる水と過酸化水素の蒸気の量が増え、それによって、達成し得るvH2O2の最大ppmが増加します。
  • 高濃度のH2O2溶液は、凝縮前に使用できるH2O2蒸気の量を増加させます。
  • H2O2蒸気濃度が高まると、空気が保持できる水蒸気の量が減少し、そのため凝縮がより早く発生します。

まとめ

このシリーズのブログ(ホワイトペーパーはこちら)では、重要なプロセスパラメータの関係を深く理解することにより、効果的で再現性のあるvH2O2除染サイクルの開発がどのように可能になるかをご紹介しました。

多くの場合、単一パラメータの計測では監視には不十分であり、プロセス制御に効果がありません。また、凝縮を正確に予測する上で相対水分飽和度が重要な値である理由も示しました。そうした理由から、ヴァイサラ独自のPEROXCAP®技術では、過酸化水素蒸気ppm、温度、露点、蒸気圧、湿度(相対湿度と相対水分飽和度)など複数のパラメータを単一のセンシングユニットで計測することができます。

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