除染における温度、凝縮点、および達成し得る最大 vH2O2 ppm

VHP 除染において温度が凝縮に与える影響
Joni Partanen
Product Manager
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ライフサイエンス

このブログは、除染用途でプロセスパラメータが過酸化水素蒸気にどのように影響するかについて説明する 4 部構成のシリーズの第3弾です。

このシリーズでは、プロセスパラメータの 4 つの基本的なルールを提案します。 このブログは、3 番目のルールに焦点を当てています。 

温度が上昇すると、空気が保持できる水と過酸化水素の蒸気の量が増え、それによって達成し得る最大 vH2O2 が増加します。

このシリーズの以前のブログでは、代表的なすべてのサイクルについて、除染サイクルの温度は 23°C に維持されていました。特定の温度では、H2O であっても H2O2 であっても、空気は一定量の蒸気しか保持できません。ここでは、温度を変化させることで、凝縮点と過酸化水素蒸気の達成し得る最大濃度の両方をどのようにして変更できるかを示します。

下の図 3a および 3b は、2 つの除染サイクルを示しています。黒色の線のサイクルはプロセス温度 40°C の場合を表し、青色の線は温度 23°C の場合を表しています。どちらの場合も、調整の前に湿度を 10% に下げるために除湿が実行され、使用する H2O2 溶液の濃度はともに 59m-% です。図 3b は、黒色の線で表す温度 40°C の方が、温度 23°C よりも vH2O2 の ppm が高いことを示しています。

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The effect of temperature on condensation in VHP bio-decontamination

相対湿度と相対水分飽和度の両方の湿度を調べることで、温度の影響をさらに確認することができます。(相対水分飽和度について

下の図 4 は、温度 5°C での vH2O2 の ppm を示しています。相対水分飽和度は X 軸、相対湿度は Y 軸で表されています。X 軸と Y 軸内の座標線は、0ppm から 500ppm 前後までの H2O2 蒸気濃度を表します。0ppm の線は、純水のみを使用して生成された蒸気を表します。H2O2 溶液の濃度を上げると、vH2O2 も増加します。理論的には、X 軸に沿った線は、100% の H2O2 液体を使用して生成された蒸気を表します。相対水分飽和度が 100%RS になると凝縮が発生し、それ以降、vH2O2 の ppm は増加しません。したがって、温度 5°C、初期相対湿度 0%RH、100m-% の H2O2 溶液の蒸気の場合、vH2O2 の理論上達成し得る最大 ppm は 548ppm になります。

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temperature effect on humidity and condensation in VHP biodecontamination

 

図 5 の条件は図 4 とすべて同じ(0%RH、100m-%溶液)で、温度のみを 50°C に変更しています。vH2O2 の理論上達成し得る最大 ppm は、13,019 となります。

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Relative Saturation and Relative humidity in vH2O2 biodecontamination

図 6 は、さまざまな温度で、異なる濃度の H2O2 溶液を使用した場合の vH2O2 の最大 ppm を示します。2 つの使用頻度の高い H2O2 溶液濃度(35% および 59%)を比較します。青色のトレンドラインは、35% の H2O2 溶液を表します。温度 40°C の場合、vH2O2 の達成し得る最大 ppm は 4,210 です。同じ温度(40°C)で 59% の H2O2 溶液の場合、vH2O2 の達成し得る最大 ppm は 5,461 です。

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Maximum ppm vH2O2 at various temperatures produced with 35% and 59 vol-% H2O2

ホワイトペーパー『凝縮に対する考慮:過酸化水素蒸気除染における影響』で、4 つのルールすべてについてご紹介しています。

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