ヴァイサラ HUMICAP® 技術

現代の湿度計測における先駆的な技術革新

現在、ヴァイサラは、さまざまな業界や用途に湿度計測プローブを提供する世界的リーダー企業です。その相対湿度センサは、今や業界標準です。その始まりが、こちらです。

解決すべき課題

1970年代初頭まで、毛髪湿度計はその信頼性の低さにもかかわらず、広く使用されていました。そこでヴァイサラは、半導体と薄膜素材を使用した新たな湿度センサの開発に着手しました。

HUMICAP®の誕生

1973年に開催された世界気象機関（WMO）の第6回測器観測法委員会（CIMO-VI）にて、ヴァイサラは世界初の高分子薄膜静電容量式湿度センサHUMICAP®を発表しました。この技術革新は、湿度計測に革命をもたらしました。HUMICAPセンサは、可動部品がなく、半導体や薄膜技術の先駆的な活用方法により、大幅な小型化を可能にしました。

ひとつの企業の発明がグローバルスタンダードへ

以来ヴァイサラは、相対湿度計測の市場をリードするメーカーへと成長を遂げ、高分子薄膜静電容量式湿度センサはひとつの企業の発明から業界標準へと至りました。

常に進化し続ける

HUMICAPとは、単なるセンサだけではなく、計測位置や条件において多くの課題を解決するソリューションでもあります。HUMICAPは、私たちの中心的な技術であり、これからも進化を追求し続けます。

火星探索にも採用されているヴァイサラのセンサ

宇宙の過酷な条件下では、技術的な要件は厳しく、修理なしでも最大限の耐久性を発揮するような信頼性に優れたセンサが必要です。このような条件で“冒険”を行う上で、どんな計測機器でもよいというわけにはいきません。よって、1990年代以降火星での条件計測には、自ずとHUMICAP製品が採用されるようになりました。

HUMICAPの火星への道のり

HUMICAP in numbers

1973

launched

Millions

of measurements based on HUMICAP

2

planets

HUMICAP - 小さな巨人

湿度はどこにでもあります。快適性や健康、生産性に影響を与えています。多くの製品や工程の品質、安全性にも関わっています。そのため、湿度の計測と制御は、多くの業界や用途において不可欠となっています。

HUMICAPは単なるセンサではなく、ソリューションでもあります。

この“小さな巨人”について、詳しくは動画をご覧ください。

センサのしくみ

HUMICAPは、2つの導電性電極間に挟まれた高分子薄膜を基板上に持つ、高分子薄膜静電容量式センサです。

周囲空気に面した電極は、多孔質金属で作られ、センサを汚れや結露から保護します。基板は通常、ガラス製もしくはセラミック製です。周囲空気の相対湿度が上昇または低下すると、高分子薄膜が水蒸気を吸収または放出します。

高分子膜の誘電特性は、吸収された水分量に左右されます。センサ周辺の相対湿度が変化すると、高分子膜の誘電特性が変化するため、センサの静電容量も変化します。計測器の電子回路部は、センサの静電容量を計測し、湿度値に変換します。

お客様の声

「信頼できる製品や会社に出会えたら、

...その関係を継続することは、ビジネスとして理にかなっています。フタムラUKでは、持続可能な包装フィルムの品質確保に、ヴァイサラの計測機器を長年使用しており、今後も継続するつもりです。弊社のような工場としては、スペアパーツの保管や、必要に応じて行われる機器交換を容易にすべく、サイトスタンダードを維持したいと考えます。ヴァイサラは、信頼性、設置のしやすさ、使い勝手に優れ、弊社にとってとても好ましいブランドのひとつと言っても過言ではありません。」

フタムラUK、電気工学担当者、David Carr氏

「ヴァーサ号博物館は、正確で信頼性の高い計測機器を求めていました。

それゆえヴァイサラは、私たちの今までの経験を通じて当然の選択でした。」

TAC Sweden、プロジェクトマネージャー、Fred Sörensen氏

「Viking Maltでは、均一で品質の高い麦芽を製造するのに多くの労力を注いでいます。

優れた品質を確保すべく、原材料を厳密に選定して管理し、最大限に慎重かつ正確な製造のモニタリングと制御を行っています。」

Viking Malt Sweden、技術マネージャー、Tony Öblom氏

加温プローブによる結露防止

湿度計測分野におけるヴァイサラの革新には、最も過酷な高湿度環境向けに開発された加温プローブ技術があります。高湿度による飽和環境では、計測センサを含むすべての表面に結露が発生し、一部のテクノロジーにとって致命的な場合があります。温められたプローブは、センサを常に周囲温度より高く保ち、結露が発生しないようにします。ヴァイサラのソリューションでは、このような条件下でも、 Indigo520変換器を使用すると相対湿度計測が可能になります。

グラフィックでは、加熱機能付きのヴァイサラHUMICAP®プローブAと、加熱機能がないプローブBを比較しています。相対湿度（RH）が100%に達すると、プローブAはすぐに回復して正確な湿度計測値が表示されますが、プローブBの回復まで非常に長い時間がかかります。機器によっては、回復まで数時間かかる場合もあります。

アプリケーションノート

特長

優れた長期安定性と繰り返し性

センサは非常に直線的であるため、調整点は2つだけで十分であり、校正作業の手間を減らせます。

粉塵や化学物質による影響が少ない

高濃度の化学物質が存在する非常に過酷な環境向けには、ケミカルパージオプションも提供しています。

素早い応答

優れた応答性により、急速に変化する条件下でのプロセス制御を改善できます。

センサ加温

結露しやすい環境でも計測が可能なセンサ加温機能

結露からの回復機能

結露が蒸発し、直ちに正確な計測値が得られます。

最も信頼性の高い、正確な湿度計測

最も過酷な条件下でも

業界別のHUMICAP®用途

HUMICAPは、元々ラジオゾンデの革新のために設計された技術ですが、優れた信頼性の湿度計測の評判が広まり、さまざまな業界や用途で求められるようになりました。現在、私たちは、湿度計測に関するあらゆるニーズに応え、屋内外を問わず、一般空調設備から条件の最も厳しい工業分野での用途まで対応できる、各種計測機器を提供しています。