ウェブセミナーの Q&A:有効成分(API)の開発と製造における|屈折率(RI)のメリット

K-Patents ウェブセミナー:医薬品有効成分(API)の開発と製造における屈折率(RI)のメリット
Mona Kokkonen
Marketing Communications Manager
Published:
産業計測
ライフサイエンス
液体計測
このブログでは、先日実施した「医薬品有効成分(API)の開発と製造における屈折率(RI)のメリット」に関するウェブセミナーの中でいただいた質問に回答します。 

ウェブセミナーの動画については、こちらからアクセスしてください。(ウェブセミナーは英語のみになります。)

 

USP Class VI(英国薬局方USPクラスVI)について説明がありましたが、有効である温度(たとえば121°C)を示すことも重要だと思います。

プリズムガスケットの素材として使用した変性 PTFE は、プラスチックのUSP Classプロトコルに従って70°Cで試験されています。より高い温度が必要な場合は、プロジェクトの最初の段階で温度を指定してください。

 

屈折率に対する温度の影響(ラボデータ)を示したスライドはありますか。

通常、1°Cは±0.1%に対応しますが、計測される化学物質や他の物質の影響を考慮することが必要と言えます。各屈折率値は、特定の計測や用途に合わせた化学曲線(ケミカルカーブ)に一致するように校正されます。

 

屈折率計は、危険エリアでの使用に関する認証を受けていますか。

当社は、ゾーン0、ゾーン1、およびゾーン2の危険区域で使用できる本質安全防爆構造プロセス屈折率計も提供しています。この屈折率計は、ATEXおよびIECEx認証を受けています。 

 

ケーク洗浄の例で、非常に小さい管状装置で使用されるプローブタイプが図にありました。これは、この屈折率計を最終的な生産規模に拡大することをエンドユーザーが希望していたからですか。

当社には、ウェブセミナーで紹介したコンパクトで拡張性のある製薬製品モデルがありますが、この例では、お客様は既に試験所にある屈折率計の使用を希望されました。この屈折率計は、お客様が試験運用プラントと実際のプラントのさまざまな箇所で使用しているものと同じモデルです。

 

RI 計測の精度を教えてください。計測機器の精度はどうなりますか。

屈折率nDの精度は±0.0002です。

 

当社では、API 製造中に冷却結晶化ステップを実施するため、結晶形成の開始を検出することに関心があります。屈折率計測を使用すると、結晶を確認できますか。

屈折率計測は、スラリー内の浮遊結晶の影響を受けないため、結晶を直接確認することはできません。ただし、結晶形成が始まる温度を決定することに関心をお持ちでしたら、屈折率計測が役に立ちます。屈折率計で母液の濃度を監視すると、冷却中に飽和点または過飽和点までは濃度が上昇し、その後、濃度の減少が始まる様子を確認できます。母液または溶媒内の化合物が結晶化し始めると、濃度が減少し始めます。このときの、液体から固体への質量移動は結晶形成を意味し、そのときの温度を計測すべきといえます。

 

屈折率によって濁度を検出できますか。

いいえ、できません。濁度は浮遊固形物によって生じますが、屈折率は、溶液内の溶解物質のみから影響を受けます。

 

屈折率計の再校正を行うには、どうすればよいですか。

ヴァイサラK-Patents 屈折率計では、計測ドリフトが生じません。屈折率計は、屈折率が校正された状態でお客様の工場に出荷されるため、再校正は不要です。ただし、GMP ガイドラインでは、貴社の慣例で定められた頻度での検証実施を要請しています。K-Patentsでは、Cargilleの標準屈折液を使用し、各屈折率計を校正しています。そのため、ヴァイサラK‑Patentsの屈折率計校正は、N.I.S.T.にトレーサブルな屈折液を使用して、現場で簡単に確認できます。検証手順は屈折率計のディスプレイに表示され、検証結果のレポートも印刷し、署名することが可能です。

 

当社では、クロロホルムと酢酸エチルの混合物の蒸留プロセスを行っています。クロロホルムの濃度をリアルタイムで監視できますか。現状では、プロセスを停止する必要があります。

クロロホルムの沸点(61°C)は、酢酸エチルの沸点(77°C)よりも低いため、お客様にとってクロロホルムは重要な生成物です。もちろん、屈折率計を使用して、リアルタイムで濃度を計測できますが、この場合は、凝縮器の後で計測する必要があります。屈折率の範囲、温度、その他のプロセスの情報を確認する必要がありますが、問題にはならないでしょう。また、この計測は、屈折率計に適した用途で、プロセスを最適化するよい機会になると考えられます。当社にご連絡いただければ、お客様の用途を理解するために必要な情報を記載するフォームを送付いたします。

 

高圧システムに屈折率(RI)が使用された経験はありますか。そのときのプローブの最大許容圧力を教えてください。

当社の技術仕様に基づくと、最大40barのプロセス圧力下で計測機器を使用できます。

 

ヴァイサラとK-Patentsがサポートします

ヴァイサラK-PATENTS®プロセス屈折率計の詳細やお客様のプロセスでの活用方法については、当社までお問い合わせください。

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