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Q&A 動画:倉庫のマッピングに関するガイダンス文書、参考資料、アドバイス

倉庫のマッピングに関する GDP 規制
Paul Daniel
Paul Daniel
シニア レギュラトリ・コンプライアンス・エキスパート
Published: Aug 14, 2020
ライフサイエンス

この動画では、6月に行ったウェブセミナー『倉庫での連続マッピング:データとコンプライアンスの向上(Continuous Mapping in Warehouses: Better Data, Better Compliance)(英語のみ)』でお答えできなかったご質問にお答えします。このウェブセミナーに参加できなかった方は、ぜひ録画をご覧ください。今回は、再マッピングと試験時間に関する質問を中心にお答えします。以下の書き起こしに、ガイダンス文書の参照先リンクが含まれていますのでご確認ください。下の動画を再生できない場合は、こちらをご利用ください。Part 11/Annex 11 およびモニタリングシステムに関する次のウェブセミナーについては、下にスクロールして詳細をご覧ください。

 

書き起こし:
[00:00:50] 1つ目の質問です。「倉庫でのマッピングの適切な継続時間を教えてください。マッピングの適切な継続時間を示したガイダンスや規制はありますか?」

[00:01:00] Paul:私の知る限り、冷蔵庫と倉庫のどちらのマッピングでも、温度マッピング試験の時間について規制機関は正式な時間制限を提示していません。マッピングの時間が短すぎると、本来計測したい状態のサンプルが得られません。さらに、試験では少なくとも1サイクルの運用を確認する必要があります。このサイクルは環境によって、1日のことも、1週間のこともあります。また、マッピングの時間が長くなりすぎることも避けましょう。無駄な時間と費用を使って余分なデータを取得してしまうためです。

わたしは、冷蔵庫、冷凍庫、インキュベータなどのチャンバーの場合、通常は72時間という試験時間を使用しています。チャンバーの試験を行うお客様には48時間とすることを推奨します。倉庫の場合は、少なくとも1週間を推奨しますが、2週間の方が適切な場合もあります。[このトピックについて] 最近行ったウェブセミナー(英語のみ)では、倉庫のマッピングの目標時間を7日間と説明しました。

世界保健機関の『付録9 - 保管・輸送時のモデルガイダンスと温度の影響を受けやすい医薬品(Model guidance for the storage and transport of time- and temperature–sensitive pharmaceutical products)』において、倉庫のマッピング時間を7日とする際の根拠をわかりやすく説明しています。このガイダンスによると、倉庫のマッピングは少なくとも7日から10日間、継続して行うこととしています。ここでは倉庫だけでなく、その他の常温の保管エリアも対象としています。

チャンバーの場合は、ISPE の適正基準ガイド:温度制御チャンバーのマッピングおよびモニタリング(Good Practice Guide: Controlled Temperature Chamber Mapping & Monitoring)を参照してください。このガイドでは、マッピングを24時間以上行うこととしています。つまり、チャンバーでは24時間が最低限になります。ただ、信頼性を高めるためには、リスク分析に基づいて時間を延長する必要があります。そのため、[多くの場合]試験時間は72時間としています。リスク評価に関する文書を作成するよりも、マッピングを2日延長する方が簡単だからです。週末にかけて72時間のマッピングを行えば、平日に時間を取られることもありません。結果として、チャンバーの場合は72時間、倉庫の場合は7日間となります。

[00:02:53] よくわかりました。GxP 環境でのリスク分析の実施に関するウェブセミナー(英語のみ)はいつでもご覧いただけます。それでは2つ目の質問に移りましょう。

「大規模な変更や設定変更を行った後は、場合によって倉庫の温度マッピングが再度必要になることは知っています。どの程度の設定変更を行うと、再マッピングが必要になりますか?」

[00:03:29] Paul:これは難しい質問ですね。経験から言うと、再マッピングを検討するのは、設定変更により変更管理が必要になる場合だけで十分だと思います。ただし、高度な品質プログラムが設定されており、倉庫を対象とした変更管理手順が確立されている場合に限られます。製薬会社は該当すると思われますが、販売代理店の場合は該当しないかもしれません。

だからこそ、私たちがもう少し踏み込んでアドバイスする必要があるのでしょう。製品を移動、もしくは製品を倉庫の別の場所に保管する場合、変更管理が必要ではないでしょう。ただし、倉庫内の新しい保管場所にモニタリングと温度マッピングが実施されている場合に限ります。一方で、ラックの移動や、ラックの配置、高さ、向きの変更を行う場合は、変更管理が必要であると思われ、再マッピングが求められる規模の変更かどうかを判断する必要があります。

私はこの点を基準にして考えています。つまり、その変更によって倉庫のラックなど構造物の組み立てや解体が必要な場合、設定変更には少なくとも変更管理が必要になります。この変更管理プロセスには、再マッピングが必要かどうかを判断することも含まれます。一般的に、[変更が] 空気の流れに影響を与える場合、再マッピングが必要だと言えます。例を挙げてみましょう。倉庫のラックの向きを変えると、実質的に段ボール箱とパレットが積まれた大きな壁ができます。この壁によってスペース内の空気の流れが大きく変化し、スペース内の温度の動きに影響を与えます。再マッピングを伴う変更になるかを判断する際には、こうした点を考慮する必要があります。

忘れてはならないのは、物理的な変更以外についてです。エネルギーの節約のために、HVAC システムでコントローラの設定値を変更することがあります。この場合も、再マッピングが必要になると思われます。

[00:05:14] わかりました。では3つ目の質問です。

「倉庫の再マッピングを行うタイミングを示したガイダンスはありますか?倉庫の再マッピングの頻度は3年に1回とのことですが、それはなぜですか?」

[00:05:25] Paul:先ほど紹介した ISPE の適正基準ガイドは、温度制御チャンバーに関するガイドです。これには、リスク評価を使って再マッピングの頻度を決定し、地域の規制にも注意を払うべきだと記載されています。この内容は非常に一般的で、ここではあまり役に立ちません。しかしガイドを読み進めると、具体的な数値を提示している箇所があります。そこには、GxP では再マッピングを3〜5年ごと、重要度の高い保管庫では毎年行うように、と記載されています。

重要度の高い保管庫とは、安定性チャンバーのような場所であると考えられます。この場合は明らかに、毎年再マッピングを行うことが求められています。しかし、最初に検討する頻度としては、3年が適切ではないかと思います。英国で発行されている『適正製造基準および適正流通基準(Good manufacturing practice and good distribution practice)』によると、倉庫のマッピングは2~3年ごとに繰り返すべきだと記載されています。

他にも、倉庫の再マッピングの適切な目標頻度として3年という期間を示しているガイダンスがあります。ただし、これらは単なるガイダンスに過ぎず、規制ではありません。規制では、適格性評価を必要に応じて繰り返すことを求めているようです。つまり、[マッピングの] 頻度は、システムに関する知識と保管されている製品関連のリスクに基づいて判断する必要があります。

[00:06:43] わかりました。ありがとうございます。ガイダンスや規制については、ウェブセミナーの受講者の皆さまから多くの質問が寄せられています。しかし意思決定においては、業界のガイダンスと GxP に関する実際の経験 [を組み合わせること] が必要なようですね。

[00:07:02] Paul:多くのお客様が、再マッピングの頻度が知りたい、個別のアドバイスが欲しいと思っていらっしゃいます。同時に、どのような規制やガイダンスに [その方法が] 記載されているかを知りたいという声も聞かれます。規制に沿っているか確信を得たいというご意見です。 まずはそこからはじめてみるのはいかがでしょうか。

ぜひ次回のウェブセミナーにもご参加ください。詳細については、以下をご覧ください。

 

環境モニタリングシステムにおいて Part 11 および Annex 11 への準拠を容易にする方法(Continuous monitoring system compliance with Part 11 and Annex 11: Easier than you think)


このウェブセミナー(英語)では、21 CFR Part 11(連邦規則第 21 条第 11 章)および Annex 11(附属書 11)の要件を分析し、GxP 環境向けに設計された環境モニタリングシステムにおいて、これらの両要件への準拠をいかに簡単に達成できるかを実証します。その方法として、一貫して規制に準拠していることを確認するプロセスが品質管理システムに含まれていることを確認します。皆さんの社内プロセスはいかがでしょうか。ご使用のシステムで規制準拠を簡略化できるでしょうか。

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