ヘルシンキの新小児病院、組織バンクのモニタリングにヴァイサラのviewLincシステムを使用

ヘルシンキの新小児病院
Finland
Published:
産業計測
ライフサイエンス
持続可能性

ヴァイサラは、最近ヘルシンキで開業した新小児病院に無償の援助を行っており、病棟や治療施設の湿度、二酸化炭素、温度を監視するための計測機器を提供しています。また、ヴァイサラのviewLinc環境モニタリングシステムを活用して、新小児病院にとって非常に重要である組織バンクの状態を24時間365日モニタリングしています。

この新しい病院では、フィンランド中から訪れる患者を治療しています。2014年に建設が始まり、2018年秋より徐々に子供たちの受け入れを開始しました。真新しい施設に加え、今までにないビルディングオートメーション技術導入に伴う健康的な室内空気も提供されています。ヴァイサラは、室内空気の湿度、温度、二酸化炭素に関する計測機器とviewLinc環境モニタリングシステムをこの小児病院に提供しました。

ヴァイサラの計測機器の大部分は、24時間稼働している病院の共用エリアに設置されており、得られた計測データは、建物の冷暖房、換気、空調をモニタリングし、最適化するために使用されています。厳しい環境下にある組織バンクは、ヴァイサラ viewLinc環境モニタリングシステムにより制御されています。

重要な臓器を保存する組織バンク

新小児病院の一部門である組織バンクは、ヒト組織の処理、保存、分譲の管理を行っています。組織バンクで扱う最も一般的な組織としては、下肢静脈、下肢動脈、心臓弁、肺動脈や大動脈の一部などの血管があります。保管されている組織の大部分は、先天性心臓欠陥のある患者の院内手術に使用されています。

組織バンクは、1973年以降、病院の手術・麻酔科で重要な役割を担っています。新しい施設では、組織バンクの状態を制御する新しい技術を導入できるようになりました。

「高品質の組織バンクがなければ、移植用心臓組織を国外から取り寄せるか、子供を国外に移送して手術を受けさせることになるでしょう。」と、新小児病院の組織バンクのSari Tähtiharju氏は言います。また、「週におよそ2回、移植用心臓組織が使用され、年間で約100人の子供の手術が行われています。」と同氏は述べています。

常時監視による移植用組織の品質確保

温度、湿度、空気質などの組織バンクでの重要なパラメータは、常時モニタリングおよび観測する必要があります。環境モニタリングシステムを使用することによって、状態の常時制御を確保でき、一貫性や移植用組織の清浄度を考慮して、組織の処理や保存に関連する条件を適切に保つことができます。

こうしたパラメータ値は、制御するためだけでなく、保存要件を満たしていること証明するために適切に記録する必要があります。組織バンクは、フィンランドとEUの法令によって規制され、フィンランド規制当局(Finnish Medicines Agency:Fimea)によって監督されています。ヴァイサラの環境モニタリングシステムは、製薬業界のニーズに合わせて開発されており、病院の衛生およびメンテナンスのガイドラインを遵守しています。また、FDA 21 CFR Part 11、EU Annex 11、ICHなどのGxP規制や基準にも準拠しています。ヴァイサラ viewLincシステムにより状態が制御され、データの一貫性、ブラウザベースの監視、迅速かつ簡単なレポート作成が実現します。計測データの正確さに加え、状態が許容値を超えた場合には担当者に警告を発します。