ヴァイサラのセンサを活かしたデータセンターの断続的な運用

最新のデータセンターで作業している人
Justin Walsh | Vaisala
Justin Walsh
Business Development Engineer
Published:
産業計測

今日のデジタル経済社会において、データセンターはテクノロジーインフラに欠かせない要素です。データセンターが提供するサービス、ネットワーク、ストレージは、現代のビジネスに不可欠と言えます。クラウドコンピューティング、人工知能(AI)、インターネットオブシングス(IoT)がますます主流となる中、データセンターの効率的な運用がこれまで以上に頼みの綱となっています。

容量と速度に対する需要の高まりを受け、業界は拡張と最適化を進めており、そのために大量の機器を使用しています。それらの機器を確実に動作させるには特定の環境条件が求められます。また、需要の増大に伴って、断続的な運用の必要性が生じています。センサのネットワークによって、オペレータは常に状態を監視して顧客に保証を提供できるようになります。

セキュリティと信頼性

多くの場合、データセンターは無人または最小限の人員配置になるにもかかわらず、年間99.999%(ファイブナイン)稼働しなくてはなりません。これは、年間あたりの最大許容ダウンタイムがわずか6.5時間であることを意味します。データセンターの障害は、サービスプロバイダーとエンドユーザーの両方に壊滅的な影響を与える恐れがあります。したがって、外部と内部両方の環境の影響から保護する必要があります。その他の重要な考慮事項として、優れたインフラストラクチャ、配電への信頼性の高いアクセス、最重要なデータルートへの接続が挙げられます。

継続的な運用のためには、データセンターを理想的な状態を維持することが不可欠です。それには、最高水準の信頼性、一貫性、正確性を備えたセンサによるデータの提供が必要となります。これらの施設には、相対湿度温度変換器と、圧力、風、湿度、温度のモニタリングを行う屋外気象ステーションを設置する必要があります。数年にわたって正確で一貫した計測を行うために、これらの機器には絶対的な信頼性を備えた優れた品質の技術が使用されていることが好ましいでしょう。

データセンターはエネルギー集約型の施設であり、現在、世界の総発電量の1%超を消費しています。このエネルギーは熱に変換されますが、適正な動作温度を維持するために、機器に伝わった熱を放出させる必要があります。したがって、冷却と空調はデータセンターで最重要のプロセスの1つです。冷却と空調で使用するエネルギー量は、コンピューター機器自体が使用するエネルギー量より多く、総エネルギー使用量の大半を占めています。

効率化による持続可能性

データセンターのオペレータは、運用効率と電力使用効率(PUE)の向上に継続的に取り組んでいます。高度な空調・冷房システムは、地域に応じた制御戦略と正確な環境モニタリング技術により、常に最適化されています。屋外の計測は内部環境の基準として使用されるため、オペレータはエネルギー消費を削減する直接外気冷房と断熱冷却方法を活用することができます。屋内計測によってシステムのバランスがもたらされ、HVACシステムが適切に機能していることが保証されます。コンピュータールームの空調機(CRAC ユニット)のパフォーマンス要件も、制御に使用されるセンサへの依存度と同様に高くなっています。

冷却コストを削減するための最初のステップは、環境条件を適切にモニタリングすることです。制御が必要なパラメータを計測し、それらをどのくらいの精度で計測する必要があるかを把握することから始めます。たとえば、エコノマイザー、気化冷却などの戦略を使用すると、計測する湿度パラメータが変わってきます。センサの精度がエンタルピーや湿球温度といった計算された変数にどのように影響するかを知っておくと、制御戦略に役立ちます。

データセンターの長期的なパフォーマンスを求める

モニタリング機器を指定するときは、制御システムの要件、センサのドリフト、サービススケジュールを考慮すると、データセンターに適した機器を決定するうえで役立ちます。重要な用途のすべての機器で定期的な校正とチェックが必要であるため、容易に保守できる機器を使用することで、機器のメンテナンスにかかるコストと時間を削減できます。精度と安定性が運用上の要求を満たし、最適なメンテナンススケジュールが組める機器を選択することで、リスクと不確実性を減らすことができます。わずかな計測誤差であっても光熱費が大幅に増加する要因になり得るため、高品質な計測機器から始めて、計測状態を維持することが重要です。これは、人員が最小限で遠隔地にあるデータセンターでは特に重要です。

ヴァイサラの多数の高精度変換器は、センサの校正を容易にします。さらに、スペアプローブ、校正基準、Insight ソフトウェアを使用することで、継続的な運用が可能になります。精度と安定性の仕様が高いため、オペレーターは校正やチェックに必要な頻度と労力を減らすことができます。

信頼できるパートナー

データセンターは、ヴァイサラが製品を提供する重要施設のほんの一例です。ヴァイサラは、信頼できるサポート、契約、納品を通して、堅牢なセンサを提供しています。ヴァイサラは、何百台ものセンサ機器を迅速に納品し、世界中のあらゆる場所のデータセンターに手間のかからないパッケージを提供することができます。ヴァイサラのセンサと変換器は、最高水準のエネルギー効率を達成する業界標準となっており、高い品質と精度および柔軟な校正オプションにより、メンテナンスコストと総所有コストを削減できます。ヴァイサラ製品には、温度、相対湿度、湿球温度、露点温度、エンタルピーおよび気象パラメータを計測する機器などがあります。

ヴァイサラは45年以上前に相対湿度センサを発明して以来ずっと、提供製品で世界をリードし続けてきた実績があります。自社のクリーンルームですべてのセンサを製造、テストし、製造する機器の品質とパフォーマンスに対して徹底した管理を行っています。

ヴァイサラへのご相談をご希望の場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。

ヴァイサラのHVACおよび屋外センサソリューションの詳細と、データセンター業界に提供しているサービスについては、データセンターアプリケーションノートをダウンロードください。