今年のバレンタインは特別なものは?

プラリネフィリング
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魅力的な菓子の製造

世界中にはバレンタインデーの伝統があり、大切な人に愛の詩を送る人もいれば、友情の日として祝う人もいます。しかし、最も人気のある伝統の1つが、愛情のメッセージとしてチョコレートを交換することです。 

チョコレートはなぜ愛と関連しているのでしょうか?その秘密は、脳の神経結合にあります。口当たり、脂肪、砂糖、カカオ、そして美しい見た目は、ドーパミンの脳への放出を通じて、私たちの幸せを感じさせる感覚的に優れた要素です。この記事では神経科学に深く取り組むのではありませんが、高品質の菓子を製造するために何が必要であるかを説明します。  

「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまで中身はわからない」...

…しかし、チョコレートのフィリング製造となると、プロセス制御装置は、はるかに高いレベルの信頼性が求められます。ヴァイサラの最新技術であるインライン屈折率計なら、この要求を満たすことができます。この屈折率計をプロセスのさまざまなポイントで使用すると、全固形分(TS)またはBrix値(溶解固形分)が連続計測され、一貫した製品の品質管理が可能です。 

インライン屈折率(RI)のモニタリングには自動フィードバック制御が使用され、計測値が警告レベルに近づくとアラームが発生します。このため、プロセスオペレーターは一貫した信頼性の高い製品を製造することが可能です。これにより、製品は私たちの味覚を満足させると同時に、製造規制と製品仕様も満たすこともできます。 

品質第一

ヴァイサラのあるお客様であるチョコレートメーカーは、「品質第一」というスローガンを掲げています。そのため、Brix値を継続的にモニタリングし、最終的な品質管理を行うためにヴァイサラ ® サニタリー屈折率計を導入したことに、驚きはありませんでした。
プラリネにはチェリーブランデーリキュールに浸したチェリーが含まれ、濃厚なダークチョコレートがコーティングされています。 

このチョコレートメーカーのお客様は、リキュールの品質管理にヴァイサラ屈折率計を使用し、レシピに厳密に従って製造されていることを確認しています。適切なリキュール濃度を満たすためにエタノールがブランデーに添加され、チェリーにブランデーを添加する直前にBrix値が計測されます。

高レベルのアルコールを含む製品の生産エリアは、危険なATEXゾーン 2エリアと見なされます。したがって、このモニタリング装置はサニタリー用途で承認されているだけでなく、ATEX分類も必要です。このような特殊なケースでは、屈折率計は本質安全防爆であり、ATEXゾーン 0/1の要件に適合する必要がありました。そのため、ヴァイサラのソリューションでは、3-A認証とEHEDG認証に加え、ATEXゾーン 2、1、または0が組み合わされました。
*防爆の規定については使用する地域や国によって異なります。日本国内での使用についてはこちらからお問い合わせください

ヴァイサラ屈折率計を導入する以前は、ラボの分析のために手動でサンプリングしてテストを実施しました。これには費用と時間がかかり、テスト結果の提供に遅延が生じました。仕様から逸脱すると、製品のロスや廃棄につながる可能性があります。しかし、導入後はインラインモニタリングのメリットにより、問題を即座に検出することができ、適切な対策を遅滞なく実施できます。

神々の食品

カカオパウダーはチョコレート菓子の製造において最も重要な原料です。ギリシャ語では「Theobroma cacao」、つまり「神様の食べ物」と言われ、カカオの木から収穫されるカカオ豆を加工して製造されます。

カカオパウダーには、茶色で天然酸性度(pH 5 〜 6)の天然のカカオパウダーと、アルカリ性溶液で洗浄して酸性度を中和したカカオ豆から作られたダッチカカオパウダーの2種類があります。ダッチカカオパウダーの濃厚なチョコレートの色と味の品質は、アルカリ性溶液の種類と濃度に影響を受けます。そのため、厳密に規定された濃度制限や仕様の範囲内で加工が行われていることを確認するために、ヴァイサラ  プロセス屈折率計が使用されます。

製菓における品質管理

砂糖菓子やチョコレートのフィリングは、希釈した原料を混ぜ合わせ、加熱して水分を蒸発させることで糖分を望ましいレベルまで濃縮させて製造します。原料の最終Brix値が、最終製品の風味と一貫性、全体的な品質を決定づけます。したがって、一貫した信頼性の高い製品品質を確保するには、注意深くモニタリングすることが必要です。

水分含有量が不適切な場合、最終製品の物理的特性が損なわれる可能性があります。上流で加工に問題が発生し、最終製品の品質に影響を与えるからです。また、過剰な水分により微生物の成長が促進され、製品の劣化の原因となる可能性もあります。

ヴァイサラ サニタリー屈折率計を使用すると、原料のBrix値レベルを継続的に計測できます。これにより、加工の終了点を判断し、一貫した製品品質を確保するためのリアルタイムの情報が提供されます。Brix計測のアプリケーション詳細については、アプリケーションノートをご覧ください。
(*日本語のアプリケーションノートについてはこちらからお問い合わせください)

ヴァイサラ プロセス屈折率計の堅牢な技術と信頼性の高い計測により、製品の品質が守られています。もうバレンタインデーを心配することはありません。いつもと変わらないおいしいプラリネを味わえます!

1つの技術で複数の用途に対応

他の多くの液体濃度計測法とは異なり、ヴァイサラ 屈折率計は粒子、気泡、結晶、色の影響を受けないため、液体濃度を計測する幅広いソリューションに使用できます。また、ヴァイサラ 屈折率計は3-Aサニタリ規格に適合し、EHEDG認定を受けています。ヴァイサラの屈折率計は製菓業界に加え、さまざまな食品および飲料用途の他、半導体、化学および精製、パルプ、製紙、繊維、製薬などの業界で広く使用されています。当社のすべての製品はこちらからご覧いただけます。
 

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確かな品質のために:医療用手袋とヴァイサラ K-PATENTS® プロセス屈折率計

医療用手袋を着用した手
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コロナウイルス、コロナ、新型コロナウイルス、呼び名がどうあれ、コロナウイルスは、特定の製品の需要を前例のないほど高いものにしています。その需要の高さはパンデミックよりも長く続くかもしれません。医療用手袋は、そのような製品の1つです。一部の専門家は2021年から2026年の間に、年平均成長率(CAGR)が13%を超えると予測しています。需要に対応し続けるため、医療用手袋メーカーの中には、製造活動をほぼ全面的に考え直すことになるような技術に目を向けているところもあります。

ただ、そのリスクは高いものです。

適切な技術で最新化を遂げることができたら、コロナウイルス後の世界で、生産性と収益性が上がるでしょう。一歩間違えれば、市場シェアと競争優位性を失う可能性もあります。メーカーにとって大きな利点となる技術の1つが、インラインプロセス屈折率計です。実際、この産業用機器は生産コストを削減し、管理品質を改善して、製品の一貫性と純度を確保することで知られています。

医療用手袋市場の概況 

以前は主に医療関係者のみが使用していた他の製品と同様に、医療用手袋は今や一般の人々にも求められるようになっています。

手袋、マスク、ガウン、靴や手指消毒ジェルに至るまで、世界の個人用保護具(PPE)市場は、Research and Markets によれば2027年までに930億ドルに膨れ上がると予想されています材料の面からいえば、保護手袋の市場は、ニトリル、ビニール、ネオプレン、ゴム、ポリエチレンなどに分類されます。毎年、世界中でおよそ3,000億個のゴム手袋が使用されています。

慢性疾患と急性疾患の発生率が増加し、安全と衛生に対する懸念が高まると、市場の成長が促されます。製薬、化学、食品などのエンドユーザー産業での手袋の使用も増加しています。さらに、米国食品医薬品局(FDA)などの政府の規制 では、いくつかの製造プロセスに対して、手袋の使用が推奨されています。米国労働安全衛生局(OSHA)も、ハリケーンの影響で汚染された洪水が発生した地域での保護手袋の重要性を提唱しています。

医療用手袋(およびその他の PPE 製品)は、今や世界的に、 空港、通勤電車の駅、 ショッピングセンターなどにある自動販売機で販売されるほどのものとなっています。

私たちは以前にもこの道を辿ったことがあります。たとえば、1980年代のHIVとエイズの流行も、医療従事者や警察向けの医療用手袋の需要を世界的に急増させました。エイズは当初考えられていたよりも伝染性が低いことが判明しましたが、その需要は概ね持続しています。マレーシアは原材料が入手しやすいことから、世界最大の医療用手袋の供給源であり、現在約65%の供給量を占めています。

技術概要:インラインプロセス屈折率計

ヴァイサラの K‑PATENTS® プロセス屈折率計 PR-43-GP をはじめとする、屈折率計によるインライン計測の信頼性は、医療用手袋メーカーに多くの利点をもたらします。

医療用手袋が主として必要となるのはコロナウイルスなどの外来物質に対する防御であるため、製品に不純物や欠陥がないことが重要です。ヴァイサラの屈折率計はリアルタイムで総溶解固形分(TDS)濃度を連続計測できるため、メーカーは、凝固浴槽、ラテックス浸漬浴槽、ポリマー浴槽を計測および監視して、着用性を改善しながら、脆弱な箇所や一貫性のない製品を防ぐことができます。 

屈折率計は人件費も削減し、旧来のプロセスを更新することによって製造プロセスも合理化します。This cannot be overstated.医療用手袋を生産している多くの工場では、製品の一貫性を判断するために依然として手動でサンプリングを行っています。ラボからサンプルを回収するには約1時間かかります。1日に3回とすると、メーカーは生産に費やせる丸3時間を無駄にしています。さらに、サンプリング期間中に欠陥が発生した場合、その期間中の生産工程が失われる可能性があります。ヴァイサラ K-PATENTS® プロセス屈折率計 PR-43-GP によるインライン計測により、サンプリングや長時間の実験室での試験が不要となり、プロセス制御のための即時データが提供されます。

将来の保証

ヴァイサラ K-Patents® 屈折率計は世界中に数千台設置されており、信頼性、大規模な一貫性、革新性でよく知られています。これらの利点は、現在だけでなく将来の需要の急増に対応するため、メーカーに大きな価値をもたらします。

ゴム手袋および医療用手袋の製造における浸漬浴槽

ヴァイサラ K‑PATENTS® 屈折率計が医療用手袋の製造にいかに理想的であるか、詳細なアプリケーションノートで知ることができます。このノートでは、最高の性能を発揮させるためのヴァイサラ K-PATENTS 屈折率計の推奨設置ポイントも紹介しています。アプリケーションノートを入手する

 


ヴァイサラ:価値ある計測のために

ヴァイサラは、パルプと紙、食品と飲料、製薬、半導体産業の用途向けの液体計測において、単なるリーダー以上の役割を果たしています 。ヴァイサラは、あなたの成功を支える技術のグローバルチームです 。ヴァイサラの詳細については、以下の動画をご覧ください。

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ウェブセミナーのQ&A:ショ糖/スクロース密度勾配を使用した、|迅速かつ効率的なウイルス性|ワクチンの精製

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ショ糖/スクロース密度勾配を使用した、迅速かつ効率的なウイルス性ワクチンの精製
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このブログでは、「ショ糖/スクロース密度勾配を使用した、迅速かつ効率的なウイルス性ワクチンの精製」に関するウェブセミナー(英語のみ)の中でいただいた質問に回答します。 

小型のフローセルにより遠心分離機の出口ホースに屈折率計のプロセス接続ができるとのことでしたが、フローセルにより計測できる最低量または最低流量について教えてください。また、これは医薬品製造の要件を満たしていますか。

ファーマミニフローセル(PMFC)は、4.8mm(内径)、8mm(外径)の医療用ホースなどにより、遠心分離機の排出ラインに直接接続されます。屈折率計のプリズム上の流速は常時1.5m/sであることが推奨されていますが、PMFCはこの推奨流速を満たすように設計されました。最低試料量は1.2mlです。

PMFCは当社の製薬用屈折率計モデルなどと同様、医薬品製造の要件を満たしています。ファーマミニフローセルの接液部品はステンレス製(AISI 316)です。接液部品の内面粗度は0.4μmに電解研磨されています。OリングシールにはEPDM素材(エチレンプロピレンジエンモノマー)を使用し、接続用フィッティングはすべて、3-A サニタリー規格に準拠しています。

 

屈折率計の応答時間について教えてください。また、応答時間は遠心分離機からの排出用ホースの長さによって差異が生じますか。

ヴァイサラ K-PATENTS 製薬用屈折率計の応答速度は非減衰の場合1秒です。ただし、減衰時間は最大5分まで変更できます。ホースの長さについては、お客様からたびたび質問を受けます。このアプリケーションにおいては、ウイルスを大量に含む画分を可能な限り素早く識別し、生産性を最大限に向上するうえで、計測と制御が非常に重要であるためです。当社の製薬用屈折率計については、ホースの長さによって差異が生じることはありません。当社のソフトウェアにより、計測は必要な数値まで遅延ができるためです。

計測機器の検証方法についてさらに詳しく説明していただけますか。現場でも検証できますか。

屈折率計は校正後、出荷されます。時間経過によるドリフトは発生しないため、再校正は不要です。しかし、GMPガイドラインでは会社の手順と品質システムにより定目られた定期的な検証の実施が求められています。

そこでヴァイサラのサンプルホルダーと、屈折率の全範囲をカバーするか―ギル社の種類の標準屈折液を使用することにより、屈折率計を現場で簡単に検証することができます。これらの屈折液は校正中に使用されるものと同じです。したがって、校正を検証でき、N.I.S.Tにトレーサブルです。

屈折率計の検証手順はシステムに統合されているため、ユーザーは屈折率計のディスプレイに表示された検証手順のガイドに従うだけです。検証レポートを印刷して、署名することもできます。

 

弊社は塩化セシウム(CsCl)密度勾配によりウイルス精製を行っています。ヴァイサラ K-PATENTS 屈折率計はこの種の精製に適していますか。

ヴァイサラ K-PATENTS 製薬用屈折率計は、検出できるだけの十分な密度差(通常、+/- 0.1% bw)がある場合、精製に使用する溶液の種類に関わらず、密度勾配の計測に対応できます。主目的は濃度の変化を計測して異なる勾配を検出し、対象の粒子(この場合はウイルスを含む粒子)を分離することです。 

考慮すべき事項の1つとして、使用する溶液の濃度範囲、つまり精製に必要な屈折率の範囲が挙げられます。基準として、屈折率計の屈折率(nD)の範囲は1.3200~1.5300で、これは0~100Brixに相当します。塩化セシウム水溶液の屈折率は、ショ糖/スクロース溶液と比較してわずかに低い傾向があります。しかし、これは計測の制約にはなりません。さらに、計測範囲を拡大するために、特別なプリズム素材を利用することができます。

 

一般的に、重量パーセントではなく、Brixを計測することが有効であるのはどのような場合ですか。何種類の計測単位を選択できますか。

通常、ウイルス精製の勾配媒体として糖溶液が使用される場合に、Brixが使用されます。Brixは水溶液中の糖の含有量を計測する方法としてよく知られており、以前から屈折率計で計測されています。しかし、お客様の選択に応じて設定することができます。ヴァイサラ屈折率計を使った屈折率の計測は設定が簡単で、Brix、重量比 %、体積、密度またはお客様の希望に応じてその他の単位を表示することができます。

Brixおよび濃度の計測における粘度の影響としてどのようなものが挙げられますか。

粘度は密度と同様、溶液の濃度に応じて異なります。異なる濃度の溶液(ショ糖/スクロース溶液など)を使用して密度勾配を作成した場合、通常、密度だけでなく、粘度も異なる勾配が得られます。しかし、溶液によっては、異なる濃度で密度がほぼ同じでも、粘度が非常に異なる場合もあります。この場合、効率的にウイルス粒子を分離するために粘度勾配を使用することを検討します。

注意すべきなのは、勾配は異なる濃度の溶液によって作成されることです。このため、粘度勾配の使用を選択しても、ヴァイサラ K-PATENTS 製薬用屈折率計の制約にはなりません。ウイルス精製アプリケーションでは屈折率を計測するのに対し、ウイルス粒子の分別と分離では粘度の計測を考慮できます。屈折率計測によって混合物中の総溶解固形分の変化を把握することで、遠心分離機の排出中の勾配を確実にモニタリングし、ウイルスを大量に含む画分を安全に分離することに役立ちます。 ヴァイサラ K-PATENTS 製薬用屈折率計は、粘度が非常に高い溶液にも使用できます。

データの最大記録時間について教えてください。

ヴァイサラのマルチチャンネルユーザーインターフェースとコンパクトユーザーインターフェースにより、最大1週間のデータロギングが可能です。屈折率、温度、濃度のほか診断に必要な複数のパラメータの計測が1秒毎に記録されます。ヴァイサラ K-PATENTS 屈折率計をスタンドアロンで使用し、お客様のプロセス制御システムに直接接続する場合、最大データ記録時間はシステム容量に応じて異なります。屈折率計は1秒毎に計測するため、データロギングの間隔はシステムで1秒以上から調整できます。

各段階の典型的なBrix範囲について教えてください。遠心分離機には通常、3段階のBrix濃度が設定されていると説明されました。また、ヴァイサラ PR-43-PC 製薬用屈折率計の精度についても教えてください。

インフルエンザワクチンの生産における一般的なBrix濃度(ショ糖/スクロース勾配)は0から60Brixです。しかし、この範囲は各ウイルスと精製プロトコルによって異なる場合があります。ヴァイサラの屈折率計は同一の精度(+/- 0.1 Brix)で、0~100Brixの全範囲を計測可能です。また、用途に応じて高精度(HAC)バージョンを使用することで、0.05~0.02Brixの精度が得られます。

試験所とプロセスで使用するセンサに違いがありますか。

医薬品の開発および製造において、すべての段階で同一の屈折率計単位を使用することができます。異なるのはプロセス接続のみです。コンパクトな設計の屈折率計により、実験室用キュベット(LTC)を使用する試験所やファーマミニフローセル(PMFC)を使用する試験運用、2.5インチ以下のパイプに適したその他のサニタリープロセスの接続で、簡単に使用することができます。

屈折率計はインフルエンザ以外のその他のウイルスの計測ツールとして適切でしょうか。

はい。屈折率計は精製するウイルスに関係なく使用することができますが、精製に使用する勾配溶液により制約があります。インフルエンザワクチンの製造以外にも、狂犬病ワクチンや肝炎ワクチンなどの製造にも使用できます。ウイルスを大量に含む生成物画分が検出および回収される濃度範囲は、ウイルスに応じて規定される傾向があります。

医薬品製造におけるプロセス屈折率計のアプリケーションについてはこちらをご覧ください。(英語のみ)

 

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乳製品生産の最適化

牛乳および乳製品は、世界で最も生産され、価値のある農産物の 1 つ
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牛乳は、食品市場における非常に大きなセグメントです。乳製品の中で、世界での消費量が最も高いのは乳飲料で、バターとチーズがそれに続きます。乳製品は健康的な食事に不可欠なものと認識され、多くの国で牛乳や乳製品を毎日摂取することが勧められています。その結果、世界各国での乳製品の消費量が増加しています。

この消費量の増加を受け、業界ではプロセス強化の必要性が高まっています。乳製品の加工業者にとって重要なのは、品質、製品安全規制への準拠、プロセスの衛生状態です。コストとリソースの効率を確保するには、適切な廃棄物管理システムによって原材料を効率的に使用する必要があります。持続可能性は昨今ますますその重要性が高まる課題です。メーカーが持続可能性に関する目標をより容易に達成し、材料を効率的に使用して廃棄物を削減するには、適切なプロセスモニター、最適化と計測のためのツールが必要です。正確なプロセス計測は、乳製品の加工の収益性と生産量の増加を可能にします。

乳製品のさまざまな加工手順

牛乳の主成分は、水、脂肪、タンパク質、ラクトース(乳糖)、ミネラル(塩)です。水分と気体を取り除いた残留物は、牛乳の乾燥物質(DM)または全固形分(TS)と呼ばれます。業界では、乳製品の加工に次のような手順が使用されています。

蒸発と乾燥

牛乳を蒸発させて固形分の割合を高め、乾燥させて粉末状にします。これによって製品の重量が減り、より小さなスペースにより多くの製品を収容して輸送をより簡単に低コストで行えるようになります。粉末状にすることで保管可能期間も長くなるとともに、病原菌は通常、水分が多い状態や湿度の高い状態で増殖するため、製品の取り扱いと輸送も容易になります。そのため、粉乳は世界中で大量に取引される農産物となっています。

練乳や加糖練乳に加工する場合にも、牛乳をある程度まで蒸発させます。これらの作業では厳密な蒸発制御が必要であり、一般的な計測尺度としてBrix値または全固形分(TS)の計測値が使用されています。

全固形分と製品の識別

パックに詰めた生乳製品には、通常、無脂肪乳から成分無調整牛乳まで、さまざまな種類がありますが、保管可能期間が短いため、その地域で生産された製品が多く販売されています。製造工程では、まずすべての脂肪分を生乳から取り除き、その後に法定基準と調理法に従って再添加します。この加工手順は標準化と呼ばれます。牛乳の成分量に関する規制は国によって異なるため、これは重要な手順です。

標準化の後には、一般的な手順として均質化が行われます。この手順では、脂肪球のサイズを小さくして、脂肪球が浮くことや牛乳の表面にクリーム層が形成されるのを防ぎます。生産者は、生乳を生産する際に、全固形分(TS)の正確なインライン計測を行って法定基準を満たし、廃棄物を最小限に抑えながら製品を製造したいと考えます。乳製品の迅速なインライン識別は、生産量の増加を可能にします。製品の無駄が最小限に抑えられ、製品の混合やコストのかかる製品リコールを防ぐことができるため、生産者のコスト削減につながります。

乳児用調製粉乳

乳児用ミルクは授乳のための人工乳であり、栄養補給のため、または乳児の栄養必要量を満たすための代替品として使用することを目的としています。生産者は、製品の栄養価を維持しながら、衛生状態と製品の安全性について絶対的な確証を得ることを必要とします。乳児用調製粉乳のどのメーカーにとっても、製造プロセスでの全固形分(TS)の計測は重要です。

製品のブレンドと味付け

牛乳、乳製品、ヨーグルト、アイスクリーム、代替乳製品をジャム、フレーバー、シロップとブレンドして、優れた味の商品を生み出すことができます。このプロセスでは、間違いのない正確なブレンドを行うことが不可欠です。

ヴァイサラの屈折率計によるプロセス計測

収益性を向上し、調理法に正確に従って清潔かつ安全で変わらない味の食品を生産するには、厳密なプロセス管理とプロセスの衛生に関する条件に加えて、プロセス中に正確で信頼性の高い計測値を得ることが必要です。

ヴァイサラのPR-43 サニタリープロセス屈折率計は、乳製品の製造プロセスを最適化するソリューションです。このシステムは、コンパクトタイプまたはプローブタイプの屈折率計と、使いやすさを向上するグラフィカルユーザーインターフェイスで構成されています。屈折率計は、スタンドアロン型機器としても使用できます。ユーザーインターフェースの各種オプションは、頑丈なものから、コンパクトで軽量なバージョンやWebベースのバージョンにまで及び、ユーザーは最も好ましい方法を選択して、屈折率計による計測と診断のデータにアクセスし、使用することができます。

屈折率計の計測は、気泡、粒子、振動の影響を受けません。衛生設計は3-A証明書を取得しています。この製品は、定置洗浄(CIP)と定置蒸気滅菌(SIP)に対応しています。屈折率計の計測範囲は、Brix値0〜100%の全範囲です。

原材料とエネルギーの制御、最適化、節約に屈折率計を役立てる方法やさまざまなプロセスについては、乳製品加工の最適化に関するeBookをご覧ください。

 

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屈折率による|液体濃度計測技術の詳細

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2018 年末に、ヴァイサラは産業用途向けインライン液体計測の先駆的企業であるフィンランドの K-Patents グループを買収しました。この買収により、気体計測から液体計測において、K-Patents グループの専門技術と製品群を拡充することが可能になりました。新しい製品分野となる液体計測分野では、さまざまな産業プロセス制御用途に向けて、定評のある屈折率(RI)技術と常時監視用の屈折計製品を提供します。


屈折率計測の基礎


科学者は、屈折率(RI)の計測を、液体の濃度を計測するための理想的な方法であると考えています。
その方法は比較的シンプルで、光の屈折に基づいています。たとえば、鉛筆を液体に入れたときに光の屈折性質がわかります。鉛筆が折れ曲がっているように見えますが、実際に曲がっているのは光のほうです。

Refractive index

 

多くの人は、炭酸飲料やジュースに入れたストローまたはボートのオールなどで、この現象を実際に経験しています。

Straw in Liquid

 

この計測の原理で重要なことは、液体に粒子や気泡が含まれていても、折れ曲がりの角度は透明な液体の場合と同じであるという点です。粒子や気泡は折れ曲がりの角度にまったく影響を与えません。影響を与えるのは、液体の濃度の変化だけです。
 

 

臨界角

光の性質の研究から屈折率計測の技術が生まれました。

光は、異なる媒質中を異なる速度で進みます。媒質の密度が高いほど、その媒質内での光の速度は遅くなります。光がある媒質から別の媒質に 90° 以外の角度で入射すると、2 つの媒質の境界では光の速度だけでなく方向も変化します。光線が液体に入射すると、光線の一部は液体に向かって屈折し、一部は反射されます。全反射が始まる角度は臨界角と呼ばれます。

多くの溶液では、溶媒内の溶質の濃度は、RI(示差屈折率)を計測することで判断できます。屈折率と濃度の関係は、溶媒と溶質、温度、波長によって異なります。

実際には、波長依存性(分散)は、単色光を使用することによって回避できます。温度依存性は、補正式を使用して数学的に補正できます。

 

デジタルプロセス屈折計と堅牢な設計が 1 つに

当初、RI は研究室内の技術として開発されましたが、その後屈折計が開発され、数多くの研究が行われると、プロセス計測の技術へと移行しました。プロセスにおけるインライン屈折計の構造には、腐食性成分、振動、ほこり、熱、圧力、それらの組み合わせなど、非常に過酷な条件における耐久性が要求されます。

K-PATENTS®が開発したデジタルプロセス屈折計は、屈折の臨界角を計測してプロセス溶液のRIを判断します。臨界角はデジタル CCD カメラで計測します。このプロセス屈折計は、温度補正されたプロセス溶液濃度に比例する4~20mA DC 出力またはイーサネット信号を出力します。

K-PATENTS®が特許を取得済みの CORE(Compact Optical Rigid Element(コンパクト光学固定素子))光学モジュールの進歩もこの屈折計の大きな特徴のひとつです。1 つの固定モジュールに、LED(発光ダイオード)、レンズ、プリズム、CCDカメラなどのすべての光学コンポーネントに加え、温度素子 pT-1000が組み込まれています。CORE 光学モジュールは屈折計本体から分離されているため、圧力、流量、温度変化などの外力による影響を受けません。屈折計には可動部分やトリムポットがなく、半導体ベースのCORE光学モジュールを組み込んだ構造であるため、定期メンテナンスが不要です。

Vaisala K-PATENTS® Process Refractometer

 

さまざまな屈折計のモデル設計に同じ原理が適用されているため、大小のパイプ、タンク、反応器に簡単に設置できます。爆発性のある危険な物質から、半導体ウエハーの処理に使用される製造用化学物質など、化学的に反応しやすく特殊な合金や非金属要素を必要とする液体まで、これらの屈折計の用途は多岐にわたります。

ヴァイサラプロセス屈折計は、密閉型で連続運用でき、プロセス制御システムの他の部品に接続できます。ただ、複雑でありながら耐久性があること、信頼性の高いインプロセス監視を実行できる素子を必要とすることから、持ち運びができる計測機器などと比較すると高価になります。

K-PATENTS®の革新的な屈折計は、独自の特許取得済み屈折率技術、内蔵型温度計測機能、デジタル計測原理に基づいています。計測安定性を保ちながらも、どのような液体の計測にも使用できる他に類を見ないソリューションといえるでしょう。

 

 

 

Comment

stan ayers

Aug 31, 2021
I'm looking for a method to monitor the level of polyethylene dissolved in decalin (tetrahydronapthalene). Refractometry seems like a good possibility, and your technology is interesting. The fluid is dark colored, but transparent, similar to amber beer. The temperature at the desired measurement point is 180C.

Thanks for your help.

Klas Myréen

Sep 7, 2021
Hi Stan,

Thank you for your comment!
Our local team will be in touch with you soon to discuss in detail. In a general level (and not yet knowing the full details of process conditions), Vaisala's process refractometers can be used if polyethylene can be dissolved in decalin (tetrahydronapthalene), if desired polyethylene amount is in %-level class, if the individual Refractive Index values of polyethylene are different than of decalin (tetrahydronapthalene).


JAYA RAJU

Sep 14, 2023
Share me details refractometer model designs and lower size and cost.

Vaisala

Oct 4, 2023
Dear Jaya Raju, Thank you for your interest in our products. Kindly check your local contact here:https://www.vaisala.com/contact-us

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ウェブセミナーの Q&A:有効成分(API)の開発と製造における|屈折率(RI)のメリット

Submitted by mona.kokkonen@… on
K-Patents ウェブセミナー:医薬品有効成分(API)の開発と製造における屈折率(RI)のメリット
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このブログでは、先日実施した「医薬品有効成分(API)の開発と製造における屈折率(RI)のメリット」に関するウェブセミナーの中でいただいた質問に回答します。 

ウェブセミナーの動画については、こちらからアクセスしてください。(ウェブセミナーは英語のみになります。)

 

USP Class VI(英国薬局方USPクラスVI)について説明がありましたが、有効である温度(たとえば121°C)を示すことも重要だと思います。

プリズムガスケットの素材として使用した変性 PTFE は、プラスチックのUSP Classプロトコルに従って70°Cで試験されています。より高い温度が必要な場合は、プロジェクトの最初の段階で温度を指定してください。

 

屈折率に対する温度の影響(ラボデータ)を示したスライドはありますか。

通常、1°Cは±0.1%に対応しますが、計測される化学物質や他の物質の影響を考慮することが必要と言えます。各屈折率値は、特定の計測や用途に合わせた化学曲線(ケミカルカーブ)に一致するように校正されます。

 

屈折率計は、危険エリアでの使用に関する認証を受けていますか。

当社は、ゾーン0、ゾーン1、およびゾーン2の危険区域で使用できる本質安全防爆構造プロセス屈折率計も提供しています。この屈折率計は、ATEXおよびIECEx認証を受けています。 

 

ケーク洗浄の例で、非常に小さい管状装置で使用されるプローブタイプが図にありました。これは、この屈折率計を最終的な生産規模に拡大することをエンドユーザーが希望していたからですか。

当社には、ウェブセミナーで紹介したコンパクトで拡張性のある製薬製品モデルがありますが、この例では、お客様は既に試験所にある屈折率計の使用を希望されました。この屈折率計は、お客様が試験運用プラントと実際のプラントのさまざまな箇所で使用しているものと同じモデルです。

 

RI 計測の精度を教えてください。計測機器の精度はどうなりますか。

屈折率nDの精度は±0.0002です。

 

当社では、API 製造中に冷却結晶化ステップを実施するため、結晶形成の開始を検出することに関心があります。屈折率計測を使用すると、結晶を確認できますか。

屈折率計測は、スラリー内の浮遊結晶の影響を受けないため、結晶を直接確認することはできません。ただし、結晶形成が始まる温度を決定することに関心をお持ちでしたら、屈折率計測が役に立ちます。屈折率計で母液の濃度を監視すると、冷却中に飽和点または過飽和点までは濃度が上昇し、その後、濃度の減少が始まる様子を確認できます。母液または溶媒内の化合物が結晶化し始めると、濃度が減少し始めます。このときの、液体から固体への質量移動は結晶形成を意味し、そのときの温度を計測すべきといえます。

 

屈折率によって濁度を検出できますか。

いいえ、できません。濁度は浮遊固形物によって生じますが、屈折率は、溶液内の溶解物質のみから影響を受けます。

 

屈折率計の再校正を行うには、どうすればよいですか。

ヴァイサラK-Patents 屈折率計では、計測ドリフトが生じません。屈折率計は、屈折率が校正された状態でお客様の工場に出荷されるため、再校正は不要です。ただし、GMP ガイドラインでは、貴社の慣例で定められた頻度での検証実施を要請しています。K-Patentsでは、Cargilleの標準屈折液を使用し、各屈折率計を校正しています。そのため、ヴァイサラK‑Patentsの屈折率計校正は、N.I.S.T.にトレーサブルな屈折液を使用して、現場で簡単に確認できます。検証手順は屈折率計のディスプレイに表示され、検証結果のレポートも印刷し、署名することが可能です。

 

当社では、クロロホルムと酢酸エチルの混合物の蒸留プロセスを行っています。クロロホルムの濃度をリアルタイムで監視できますか。現状では、プロセスを停止する必要があります。

クロロホルムの沸点(61°C)は、酢酸エチルの沸点(77°C)よりも低いため、お客様にとってクロロホルムは重要な生成物です。もちろん、屈折率計を使用して、リアルタイムで濃度を計測できますが、この場合は、凝縮器の後で計測する必要があります。屈折率の範囲、温度、その他のプロセスの情報を確認する必要がありますが、問題にはならないでしょう。また、この計測は、屈折率計に適した用途で、プロセスを最適化するよい機会になると考えられます。当社にご連絡いただければ、お客様の用途を理解するために必要な情報を記載するフォームを送付いたします。

 

高圧システムに屈折率(RI)が使用された経験はありますか。そのときのプローブの最大許容圧力を教えてください。

当社の技術仕様に基づくと、最大40barのプロセス圧力下で計測機器を使用できます。

 

ヴァイサラとK-Patentsがサポートします

ヴァイサラK-PATENTS®プロセス屈折率計の詳細やお客様のプロセスでの活用方法については、当社までお問い合わせください。

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医薬品製造における液体計測:|プロセス解析工学ツール(PAT)|としての屈折率

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K-Patents ウェブセミナー:医薬品有効成分(API)の開発と製造における屈折率(RI)のメリット
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液体計測

健康はきわめて重要な社会的および経済的資産であり、効果的な薬の開発は人間と現代社会の発展と深く関わっています。かつてない数の病気が治療、予防、および管理できるようになっていますが、新たな医療条件や病気の出現に伴い、医薬研究者は常に新薬を開発研究しています。

薬は 2 つの要素からなります。病気を治療する成分である医薬品有効成分(API)と、薬を人間または動物の体に届ける伝達手段である添加剤です。医薬研究開発と製品工学の重要な焦点は、新しい API 成分を研究し、将来的にはオーダーメイド医療も視野に入れた、革新的な新しい治療法を開発することです。

医薬品製造の複雑さ

新薬開発はハイリスクで高コストな、長期にわたるプロセスです。参考までに、タフツ医薬品開発研究センター(Tufts Center for the Study of Drug Development)は、薬を 1 つ市場に出すには 20 億米ドルを超えるコストが必要だと見積もっています。また、Pharmaceutical Journal によれば、臨床段階に入った薬のうち市場に出るものは、10 個にわずか 1 つです。さらに、1 つの薬を開発するのには 10 ~ 15 年程度かかり、販売できるようになった頃には、10 年足らずで高い投資コストを回収することもあります。新薬開発に関わるリスクのバランスをとるために、多くの医薬会社は、特許の切れた製品に着目したり、特許にわずかに手を加えたりして、ジェネリック医薬品を製造しています。

医薬品の製造に関する厳しい規制と、それに伴って上昇する運用コストも、製薬会社にとって課題です。医薬品製造には、最終製品があらかじめ決められた仕様を満たすためのシステムを要します。バッチプロセスで個々の段階に分けて薬を生産するのが従来のアプローチで、長い保管期間と、段階ごとの品質チェックがあります。バッチ生産では、中間生産物を次の生産ステップのために別の施設に移動しなければならない場合もあります。このアプローチはコンプライアンスと高品質の製品が担保されますが、大きなボトルネックとプロセスの非効率性も生み出し、全体の生産時間を引き延ばすとともに生産コストを大幅に上昇させます。

ひいては製薬会社の業績に影響し、最終的には製品の価格として患者と社会に影響します。同時に、薬の価格を下げる圧力の高まりにより、製薬会社は新しい作業方法を模索しています。多くの業界リーダーは研究開発に多額の投資を行い、医薬品の開発時間を短縮しプロセスのコスト効率を向上できる技術的なソリューションを研究しています。  

連続生産(CM)の実装

アメリカ食品医薬品局(FDA)は、公衆衛生を保護および増進する取り組みの一環として、医薬品の革新と近代化を支援する任務の最中にあります。これに基づき、FDA はプロセス分析技術(PAT)新規構想を立ち上げました。加えて、プロセス理解のための十分な情報を得る手段として、即時計測と分析ツールの利用をサポートする枠組みも公開しました。PAT 戦略はまた、医薬品およびバイオ医薬品生産においてバッチプロセスから連続生産(CM)に移行するための適切な基金を提供しています。

連続生産(CM)を実装するためには、プロセスを十分に理解し、受け入れ材料の種類を最小にする管理戦略が必要です。許容逸脱誤差を設定し、監視と制御のための適切なプロセス工学ツール(PAT)を定義するために、その薬の重要品質特性と、それに影響する生産変数を特定する必要があります。創薬の初期段階からのリアルタイム計測を利用して大量のデータを収集し、そこから科学的知見を得ることで、新薬開発に関わるリスクを軽減し、一貫した高品質を実現する堅牢なプロセスを設計できます。

PAT ツールとしての屈折率

PAT では圧力、温度、pH のような従来のプロセスセンサだけでなく、新しいインライン分析器技術も使用します。最先端技術の 1 つは屈折率(RI)という、光の屈折に基づく液体濃度の直接計測です。RI 計測は他の産業で何十年も採用されてきました。たとえば、製紙・パルプ業では黒液の固形分の計測、砂糖産業では製糖におけるBrix 値計測が挙げられます。しかし、PAT 新規構想が開始するまで、医薬品分野ではほとんど未開拓のままでした。

RI の大きなメリットは、プロセス屈折率計によりインラインで計測できるため、連続生産に移行する製薬の現在の潮流を支援できることです。プロセス屈折率計は主に液体濃度の計測、監視、制御に使用されます。これらの計測は製薬プロセスにおいても、プロセスの多くの段階が液体培地で行われるために重要です。しかし、計測の原理である屈折率により、医薬品の開発と処理に関してさらに多くの機会を提供できるケースは、むしろ従来にはなかった用途にあります。

すべての化学物質は固有の屈折率を持つため、屈折率計測は生成物判定において、密度計測や電導率計測よりも正確であることが示されています。この他にない特性が、屈折率を他の用途で PAT 分析ツールとして使用できる可能性を示しています。たとえば、異なる溶媒間または溶媒と生成物間の界面検出や、反応物質が生成物に変わるにつれて混合物の RI 値が変化する場合の反応モニタリングに使用できます。インライン屈折率計測は、プロセスを観察する手段と、従来の試験所におけるライン外試験では得られない情報を提供します。

屈折率は基礎プロセス理解に大きな可能性をもたらす

ヨーロッパのある大手製薬会社による数年前の研究では、API 製造だけで屈折率を活用した 11 の可能な用途が特定されました。科学者の結論によると、RI をリアルタイムで計測するとプロセスに固有のプロセスプロファイルが得られ、これはリーン開発とプロセスの拡大のためのリファレンスとして使用でき、最終的に医薬品開発の労力と時間を大幅に削減できるということです。

屈折率計測のメリットは API 製造に限られません。RI 計測はすでにバイオ製薬プロセスに幅広く適用されており、今日では屈折率計は発酵、細胞培養、ワクチン、タンパク質、血漿、酵素生産などの監視用途に使用されています。

屈折率は基礎プロセス理解のための革新的な手法となりつつあります。さらに、屈折率はコスト効率の高い堅牢なプロセスと、製品のばらつきを低減する制御戦略を設計するために必要な、さまざまなプロセス動的特性と化学反応を調査するために役立ちます。上記はほんの一例ですが、製薬会社が将来に目を向け始め、屈折率計が製薬プロセスで最大限に活用される中で、今後も利用機会が拡大していくことでしょう。

ウェブセミナーで詳細を学ぶ

詳しく知りたい場合は、ライブ配信のウェブセミナーに登録して、医薬品有効成分(API)の開発と製造における屈折率(RI)のメリットについての議論をご確認ください。

Comment

Nuno Pinto

Oct 9, 2019
I'm a scientist in biopharma, I'm interested to know more about the RI equipment and applications.
Could I have access to the webinar and the referenced study "a large pharmaceutical company in Europe few years back identified 11 potential applications for refractive index solely in API manufacture".

Thank you,
Nuno

Janice Bennett

Oct 18, 2019
Dear sir,
Thank you for your comment! An application engineer will contact you shortly...

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