ソーセージの製造効率を高める皮の技術

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コンベヤーに吊るされるソーセージ
液体計測

ソーセージの皮は伝統的に、豚をはじめ、羊、牛、山羊といった肉畜の小腸で作られてきました。こうした皮は天然ケーシングと呼ばれ、何世紀にもわたって使われてきましたが、ここ数十年、多くの市場で人工ケーシングの普及が進んでいます。人工ケーシングの種類には、コラーゲン(多くは動物の皮に由来)、セルロース(植物原料由来)、プラスチックなどがあり、最近ではアルギン酸塩(海藻由来)も使用されています。

人工ケーシングの利用が増加しているのには多くの要因があります。たとえば、天然ケーシング製品の製造には多くのプロセスが必要なためコストがかさみます。また、天然ケーシングは、長さ、直径、厚さにばらつきが出やすいため、ソーセージの生産を合理化するのが難しく、製造プロセスにおける必要労働量が多くなります。対照的に、人工ケーシングの場合は製造プロセスを継続的かつ正確にモニタリングできるため、手作業でのサンプリングとテストの必要がなくなり、製造効率と製品の均一性を高めることができます。

アルギン酸塩ケーシング

アルギン酸塩は、北半球の寒冷海域に生育する多くの海藻を含む多細胞藻類という大分類群に該当する褐藻の細胞壁にある成分です。アルギン酸塩の重要な特長は、水中で自重の何倍もの重さを保持でき、自然にゲル化する物質になることです。

皮膜形成天然高分子のアルギン酸塩は、カルシウムイオンとの反応によるゲル形成を通じて、ソーセージのケーシングとして使用できる状態になります。製造プロセスでは、ソーセージを形成するために肉の混合物が押し出されるのと同時にアルギン酸ナトリウムの層が外面に添加(共押出)されます。その後、塩化カルシウム塩水溶液を使用して脱水し、ゲル形成を誘導します。これにより、ソーセージ上にアルギン酸カルシウム皮膜の層が作られ、必要な強度と柔軟性を備えたソーセージケーシングができあがります。

塩水溶液中の塩分含有量は非常に重要であり、ソーセージの色、食感、全体的な品質に影響を与えるため、注意深くモニタリングする必要があります。 

天然ケーシングに対する共押出の主な利点は次のとおりです。

•    購入コストの低減
•    自動化に最適
•    必要労働量が少ない
•    製品の一貫性
•    柔軟性 – さまざまな種類とサイズのソーセージに使用可能
•    アルギン酸塩粉末として保存できるため、冷蔵保管が不要
•    速度とスループット
•    ベジタリアン、ビーガン、ハラールに対応可能(アルギン酸塩の場合)
 

インライン屈折率計によるアルギン酸塩水のモニタリング

塩水溶液は塩水タンクに貯蔵され、使用済み塩水はこの同じタンクにリサイクルされます。これにより、塩水はケーシングゲルから除去される水分によって絶えず希釈されます。そのため、正しい量の塩を塩水溶液に加えることができるように、塩水溶液をモニタリングする必要があります。この機能は、塩分含有量をリアルタイムでモニタリングするヴァイサラの屈折率計によって実行されます。 

屈折率計を設置する場所は2箇所考えられます。1つの屈折率計を塩水タンク自体に直接設置し、もう1つを塩の供給タンクに設置することができます。

ヴァイサラの屈折率計は、塩水溶液の塩分濃度と直接相関する、液体の屈折率(RI)を計測します。インライン屈折率のモニタリングには自動フィードバック制御が使用され、プロセスオペレータは一貫した信頼性の高い操作を確保できます。これにより、製品の品質が守られ、ダウンタイムが削減されます。 他の多くの液体濃度計測法とは異なり、ヴァイサラの屈折率計は非常に正確で信頼性が高く、定期的なメンテナンスが必要ありません。特筆すべき点として、ヴァイサラの屈折率計は、粒子、気泡、結晶、または色の影響を受けないため、液体濃度を計測するさまざまなソリューションに使用できます。ヴァイサラの屈折率計は、食品加工機器に不可欠な3-Aサニタリー規格に適合しており、EHEDG認定も取得しています。

この屈折率計が提供するmAおよびイーサネット出力信号により、プロセスの自動操作が可能になります。さらに、この屈折率計はNaOHの濃度をg/L、wt-%、または工場で推奨される任意の工学単位で読み取るように校正できます。

コラーゲンゲルとの共押出

アルギン酸塩ゲルに加えて、ソーセージ製造ではコラーゲンゲルを使用することもできます。コラーゲンケーシングは主に牛と豚の皮に由来しますが、アルギン酸塩ゲルで得られる速度と効率という利点もほとんど備えています。

コラーゲンゲルとの共押出し後、ソーセージはアルギン酸塩ゲルプロセスと同様の方法で塩水溶液に通されます。ヴァイサラの屈折率計は、前述のようにプロセスを継続的にモニタリングして、確実に正しい塩分濃度を維持し、製品の品質を守ることができます。

米国のあるソーセージメーカーは、塩水計測の重要性を強調し、次のように述べています。「当社は、共押出ソーセージケーシングをリン酸二カリウムで処理して、最終製品の色と食感に直接影響する水分を制御しています。ケーシング内の水分が多すぎると、ソーセージの色が濃くなり、固い食感になります。一方、水分が少なすぎると、ソーセージの色が薄くなり、柔らかすぎる食感になります。ヴァイサラの屈折率計は、水分を指定レベルに保ち、最終製品を標準化するのに役立ちます。」

セルロースソーセージケーシング

ヴァイサラの屈折率計は、セルロースソーセージケーシングプロセスでも使用されます。このアプリケーションでは、セルロース繊維布を使用してソーセージケーシングを作成しますが、最初に繊維布を水酸化ナトリウム(NaOH)浴に通して脱硫します。苛性ソーダとも呼ばれるこの溶液はタンクから供給され、使用済みの苛性ソーダは同じタンクに戻されます。これにより、含浸プロセス中に苛性ソーダが布で失われるため、NaOH 濃度を補充する必要があります。したがって、前述のアルギン酸塩およびコラーゲンのアプリケーションと同様の方法でヴァイサラの屈折率計を使用し、(この場合は)NaOH濃度を継続的にモニタリングして正確に補充できるようにします。

まとめ

インライン屈折率計測は、ソーセージの人工ケーシングプロセスを制御するための理想的な技術です。継続的にデータが提供される屈折率計を使用することで、ソーセージメーカーは製品品質の主要な多くの特長を制御できます。 

粒子、気泡、色の影響を受けないため、この同じ技術が、半導体、化学および精製、パルプ、製紙、繊維、製薬、醸造、飲料、食品などの他の幅広い業界でも液体をモニタリングするために使用されています。

製造業者は製品品質、プロセス効率、速度、柔軟性を高めながら、コストの削減、生産性の拡大、一貫性の向上を実現する方法を模索しており、セルロースとアルギン酸塩のケーシングの人気は高まっています。ただし、これらのメリットを得るには、処理液を継続的に計測できる、正確で信頼性が高く、厳しい条件で動作できる技術を使用する必要があります。ヴァイサラ 屈折率計はその要件を満たしており、世界中で高まり続ける高品質のソーセージに対する熱意に応えることができます。

 

インライン屈折率計技術およびその他の食品および飲料業界向けのヴァイサラソリューションに関する記事も合わせてご覧ください。
 

共押出合成ソーセージの製造における塩水濃度のインライン計測

共押出合成ソーセージの製造における塩水濃度の計測に関する詳細については、こちらのアプリケーションノートをダウンロードしてください。

セルロース製ソーセージケーシングの生産における苛性溶液のインラインモニタリング

セルロースソーセージケーシングの生産における苛性溶液濃度の計測に関する詳細については、こちらのアプリケーションノートをダウンロードしてください。

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食品・飲料 – 匠の技なのか科学なのか?

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A chef assembling a hamburger
バイオガス精製
温室/室内農業
産業計測
液体計測

毎日のように、世界中の政治家が自分の決定について「科学的根拠に基づいている」と言っているのを耳にすることがあります。一般の人々も、さまざまな仕事の裏に科学があることを気付く機会が増えています。以下では、科学が食品・飲料業界をどのように牽引しているのか、特にヴァイサラの技術が持続可能な食品生産の最適化にどのように役立っているのかに焦点を当ててご紹介します。

食品・飲料業界では、匠の技が重要な役割を果たしています。包装や広告、製品開発においては創造性とイマジネーションが不可欠です。しかし、ヴァイサラは、科学が圧倒的な役割を果たしていると考えています。科学は、計測技術の開発、製造レシピの開発、プロセスの最適化、安全対策、品質の確保、製品の一貫性の確保、持続可能性の向上において中心的な役割を果たしています。今後、科学は課題の克服にどのように役立っていくのでしょうか。

 

課題

FAOによると(1)、2020年の時点で世界の3人に1人(23.7億人)は十分な食糧を確保できませんでした。その影響が最も大きかったのはアフリカとアジアでした。その一方で、肥満と食品廃棄物が主な課題であった国もありました。食品の安全性、栄養、確保のしやすさが、どれもますます大きな課題となっています。

水不足とは、一般的な要件を満たす真水を十分に確保できないことを指します。その原因は、気候変動(干ばつ)、水質汚染、水の過剰使用または非効率的な使用、インフラの不足や機能不全などです。国連によると(2)、適応策がなければ、年間のうち少なくとも1か月にわたって十分な水を確保できない人の数が、現在の36億人から2050年には50億人以上に急増するとされています。この課題においても、効率化と廃棄物の削減が必要です。

現在、気候変動によって干ばつ、洪水、ハリケーンなどが発生し、作物が壊滅的な被害を受けています。国連防災機関によると(3)、気候に関連した災害は過去20年間と比べるとほぼ2倍になっています。そのため、農業生産体制の回復力を高める必要があります。

多くの食飲料品で保管可能期間が限られているため、食料・飲料業界には通常以上にリスクがあり、サプライチェーンの問題の影響を受けやすいという特徴があります。そのため、回復力を高めて事業継続性を確保するための対策が強く求められています。コストと持続可能性の問題に加えて、サプライチェーンは短く、速く、安全で、追跡可能である必要があります。消費者からは、持続可能な製品だけでなく、プラスチックへの依存度が低い、よりよい包装が求められています。

安全で、健康的で、栄養価の高い食品を求める消費者のニーズは高まり続けているといえます。そのため、メーカーには、より的確な情報を食品表示で提供することがますます強く求められるようになっています。砂糖、塩、カロリーなど、健康に配慮が必要な成分に対しては、特にその要求が強まっています。また、二酸化炭素排出量の少ない製品を求める消費者が増え、代替肉などへの需要の増加につながっています。小売業者からは、二酸化炭素排出量の情報が求められており、最近ではその対象に、自社の事業以外で発生する排出量を指すScope3排出量も含まれるようになってきています。

世界的にエネルギーと食品の価格が高騰する中、食品・飲料メーカーは、環境と財務面の両方から、エネルギー効率の改善、廃棄物の削減、再生可能エネルギー(風力、太陽光、バイオガス)の使用を進める必要性に迫られています。

 

ヴァイサラの科学

科学は、このようなすべての課題を解決する方法をもたらしています。ヴァイサラはその多くに積極的に関わっています。ヴァイサラは気象観測装置を提供する世界有数のメーカーであり、科学者に気候変動と異常気象を追跡できる手段を提供しています。ヴァイサラの産業用計測機器を使用することで、食品・飲料の製造工程の管理を次のような点で改善することができます。

  • 効率の向上
  • 製品の一貫性と品質の確保と向上
  • エネルギー消費の削減
  • 廃棄物の削減
  • コストの削減
  • 業界の持続可能性の向上と、気候変動への取り組みの支援

ヴァイサラの技術は食品・飲料業界で広く採用されています。以下で多数の例を紹介しますが、ヴァイサラは気象事業では世界的に評判が高いものの、食品・飲料業界において知名度はそれほどでもありません。食品・飲料業界であまり知られていない分、知っている企業にとってきわめて強力な資産となっているかもしれません。

ヴァイサラのブランドを作り上げているのは、「よりよい世界に向けての観察」という会社のミッションを、主に次の4つの価値基準によるイノベーションを通じて実現するということです。

  1. 顧客重視:顧客のニーズを満たす計測ソリューションを提供する
  2. 先駆的なイノベーション:好奇心を原動力に継続的な改善を推進する
  3. コラボレーション:パートナー、関係者、世界の科学コミュニティと協力する
  4. 完全:誠実、多様性、尊重、信頼性、持続可能性

食品・飲料業界では、農業から加工、貯蔵、流通、小売、廃棄物管理にいたるまで、バリューチェーンのあらゆる段階でヴァイサラの製品が利用されています。

 

Food processing from agriculture to consumers

ヴァイサラの技術

ヴァイサラの製品開発計画はすべて、精度と長期的な信頼性を必須条件として進められています。そのため、ヴァイサラの製品は世界的に高い評判を確立し、現在では、地球以外の惑星にも設置されています。現在、ヴァイサラの湿度センサと圧力センサは、地球上のすべての大陸で運用されているほか、NASAのキュリオシティローバーとパーサベイランスローバーにも搭載されて、火星でも稼働しています。

 

湿度

ヴァイサラの中核技術の中には、業界標準といわれる計測方法があります。たとえば、湿度は、ほぼすべての業界で行われている最も一般的な計測です。1973年、ヴァイサラは世界初の高分子薄膜による静電容量式湿度センサ HUMICAP®を開発しました。この製品は長期安定性があり、結露、汚れ、ほとんどの化学物質に影響されないなどの大きな利点を備えていたことで、計測の精度と信頼性が劇的に向上しました。その結果、ヴァイサラの湿度プローブは、乾燥、調理、ベーキングなどの食品プロセスで日常的に使用されています。湿度計測の用途はほぼ無限にあります。たとえば、食品中に過度の水分があると腐敗を引き起こす可能性があるため、湿度計測が行われています。

 

二酸化炭素(CO2)

二酸化炭素は植物が成長するために光合成をするときに使用されるため、園芸業者が生産量を増やすには温室のCO2レベルを高めることが一般的です。CO2は炭酸飲料や生鮮食品の製造施設でも使用されており、これらのプロセスはすべて厳密な管理が必要であるため、ヴァイサラのセンサ技術に最適な用途です。

ヴァイサラ CARBOCAP®二酸化炭素センサは、ファブリ・ペロー干渉(FPI)によるシリコンベースの小型波長可変フィルタが特長です。このフィルタによって基準計測が可能になり、光源の劣化、光路の汚染などによる変化が補正されます。そのため、CARBOCAP®センサは長期安定性に優れており、校正のドリフトやセンサの異常を気にする必要がなくなります。

 

屈折率計

屈折率計は、飲料や果物などの製品内の糖の含有量を計測する方法としてよく知られていますが、ヴァイサラ インラインサニタリー屈折率計は、食品・飲料業界における数えきれないほどの用途で、プロセスのモニタリングと管理に日常的に使用されています。たとえば、食品・飲料の製造プロセスでは、Brix値と乾燥固形分の計測が広く使用されています。

他の多くの液体濃度計測法とは異なり、ヴァイサラの屈折率計は粒子、気泡、結晶、色の影響を受けないため、液体の識別や成分濃度のモニタリングを行う幅広いソリューションに使用できます。ヴァイサラの屈折率計は、EHEDG認証と3-A認証を取得していることです。これらのサニタリー規格により、食品の製造・加工における衛生状態が維持されます。

ヴァイサラのインライン屈折率計の用途例を反対側の表に示していますが、ビール醸造工程のすべての段階に関わっていることからわかるように、ヴァイサラのインライン屈折率計は高い汎用性を備えています。

  1. マッシング:出口パイプで麦汁の濃度を計測する
  2. ロータリング:濃度を計測して、すすぎを止める適切なポイントを検出する
  3. 麦汁煮沸:麦汁の濃度と重量を計測することで、麦汁が必要な濃度に達した瞬間を判断する
  4. ワールプール:ワールプールの前後をモニタリングして、固形物がすばやく効果的に除去され、すっきりとした苦い麦汁が生成されていることを確認する
  5. 冷却-発酵前に、苦い麦汁に正しい量の溶解固形分が含まれていることを確認する
  6. 発酵:プロセスに関するリアルタイムの情報を提供し、発酵がいつ完了するかを正確に判断できるようにする
  7. ろ過と熟成:酵母除去中の品質管理
  8. 充填とCIP:充填とCIPプロセスを継続的にモニタリングすることにより、自動化、無駄やコスト、エネルギー使用量の削減を実現する
Beer brewing process

 

バイオガス

さまざまな国や組織がネットゼロの達成を目指していることで、世界的に、再生可能エネルギーと温室効果ガス排出量削減に大きく注目が集まっています。バイオガスは、農業や食品生産で出る廃棄物を利用する機会をもたらし、化石燃料に代わるエネルギー源となります。また、バイオガスプロセスでは発酵残渣が発生します。これは栄養豊富な肥料になるので、食料生産で完全な循環型経済を実現できます。そのうえ、バイオガスは家庭や農場で使用する電力の発電に活用できます。

ヴァイサラは、バイオガスプロセスの最適化を実現する技術を開発しました。ヴァイサラのマルチガス計測機器は、バイオガスをインラインでリアルタイムにモニタリングできるという他にはない機能を持つため、バイオガスの品質向上、コストの削減、プロセスの効率化につながります。この最後の例は、食品生産から食品廃棄物の嫌気性消化にいたるまで、ヴァイサラが食の循環のすべての段階にどのように関与しているかを示しています。

 

概要

科学とは、証拠に基づく体系的な方法論に従って、知識と理解を追求し応用することだと定義できます。ヴァイサラは、食とは科学だと考えています。ヴァイサラの機器からの計測データによって、情報に基づいた意思決定が可能になり、効率を最適化できます。ヴァイサラの科学の原動力は好奇心です。ヴァイサラは純売上高の 14% を研究開発に投資して、長年にわたりイノベーションに取り組んでいます。食品・飲料業界は、ヴァイサラが開発した技術から多大な恩恵を受けてきました。しかし、ヴァイサラの科学者たちは、開発した技術よりも、まだ発見されていない技術に対してそれ以上の胸の高鳴りを感じています。

 


 

参考資料:

  1. The State of Food Security & Nutrition in the World 2021. Food & Agriculture Organization of the United Nations: https://www.fao.org/state-of-food-security-nutrition/en
  2. UN: Adaptation to Climate Change www.un.org/en/climatechange/science/key-findings#physical-science
  3. United Nations Office for Disaster Risk Reduction, Policy brief: Disaster risk reduction and climate change. www.undrr.org/publication/policy-brief-disaster-risk-reduction-and-climate-change
  4. Riddell et al. (October, 2020) The effect of temperature on persistence of SARS-CoV-2 on common surfaces. Virology Journal. https://virologyj.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12985-020-01418-7
  5. Meat plants—a new front line in the covid-19 pandemic. (July 2020) British Medical Journal. https://www.bmj.com/content/bmj/370/bmj.m2716.full.pdf

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荷積みや荷下ろし作業でのリアルタイムの化学物質識別および界面検知

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荷積み作業
液体計測

正確で確実な受け渡しを実施するには  


化学物質の積み込みと送り出しでは、製品の混合を排除し、複数の化学物質の安全な取り扱いを確保し、受け入れタンクへの製品の移送に伴う待機時間を短縮することが重要です。化学工業製品は、品質と純度の仕様が厳しい、半導体や製薬などの他の業界で主に使用されています。化学プラントと石油精製所は、どのようにこれらの作業を最適化し、最高品質の化学物質を提供しているのでしょうか。

このブログでは、3つの導入事例を分析し、お客様にとって屈折率技術がどのように役立ったかを確認します。 

信頼性の高い受け渡しを行うための化学分析の重要性

化学分析は、化学プラント、石油精製所、燃料ターミナルなど、液体化学製品の製造とロジスティクス業務を扱う企業にとって不可欠です。これらの企業は、高い製品品質を守り、環境への影響を最小限にしながら、基礎化学品、汎用化学製品、精製化学薬品、特殊化学品の費用対効果の高い製造を保証する必要があります。

製品の識別は、多くの場合、手動サンプリングと試験所での分析に依存しています。ただし、この方法では、時間遅延、製品品質のばらつき、および製品の無駄が発生する可能性があります。他の方法としては、密度計測があります。酸(酢酸、クエン酸、塩酸 HCl、硝酸 HNO3、硫酸 H2SO4 など)、アルコール、グリコール、過酸化水素 H2O2、水酸化ナトリウム NaOH(苛性ソーダ)、溶媒、尿素などの化学物質を取り扱う場合、密度計測では正確な計測ができないことが多く、再現性のある再校正が必要であるため、費用がかかり、信頼性が低いように見えます。

精度が nD +/- 0.0002のインラインプロセス屈折率計では、自動温度補正により、完全自動化された製品識別が可能になります。複数の液体バルク化学物質をトラック、鉄道または貨物供給ラインから受け入れタンクへ安全に積み下ろすには、リアルタイムの化学物質識別と境界検出が必要です。リアルタイムの識別により、人為的エラーが排除され、プロセスの安全性が向上し、コストのかかる待機時間を短縮できます。 

主要な化学製品製造業者と石油精製所での屈折率計測の活用とは

化学物質それぞれには、固有の屈折率(nD)値があります。インラインプロセス屈折率計は、指紋のようなその屈折率に基づいて化学物質を繰り返し、正確に、かつ継続的に識別します。詳細については、カタログをご覧ください。 


複数の化学物質を迅速に処理するための化学物質の界面検知

「製品の境界検出を、試験所での計測からインライン屈折率計に置き換えることで、
年間600トンの製品を節約することができました」 - お客様の声

ドイツの多国籍化学薬品会社は、自社の工場で製造するための原材料として複数の化学物質を受け入れています。さまざまな化学物質を複数のタンクローリー荷降ろし設備でトラックや鉄道車両から貯蔵タンクに積み込んだり、送り出したりするとき、受け渡し、製品の識別、および安全な積み下ろし作業のために、迅速で信頼性の高い界面検知が必要です。

このお客様の目標は、4つの積み下ろしラインにおいて、面倒で信頼性の低い試験所サンプリングをインライン計測に基づく化学物質の自動制御に置き換えることでした。お客様はヴァイサラのプロセス屈折率計を利用して、積み込みと積み下ろしの作業を合理化しました。

屈折率計は温度補正済みの出力を提供し、たとえば、20°Cでの屈折率 nD、濃度 %-bwなどといった、お客様のご希望の基準で設定できます。屈折率計はプロセスラインに簡単に設置できるため、お客様は積み下ろし作業の効率を改善し、仕様範囲内の正しい化学物質を適切なタンクに確実に保管することができました。

水中のエタノール検出 

英国を拠点とする大手の石油精製および再生可能燃料製造の会社は、エタノールなどのさまざまな製品に貯蔵タンクを使用しています。プロセス要件は、水が水路に排出される前に、雨水中のエタノールを検出して環境受容性を判断することでした。 

貯蔵タンク周辺の燃料ターミナルでは、漏れが発生した場合にサンプで雨水や化学物質を収集します。既存のエタノール貯蔵設備では、現在使用されている密度計測器が誤警報を引き起こしていました。また、密度計測器による計測の信頼性が低いために、精製業者は地表水中に浮遊物質が存在する可能性があると考えました。

そこで、お客様は2つの新しいエタノール貯蔵タンクに、ヴァイサラのインラインプロセス屈折率計を設置しました。雨水を汲み上げる前に屈折率計が設置されているため、誤警報が回避され、規制に準拠する信頼性の高い計測も保証されています。

潤滑油製造業者による充填ラインでの化学物質識別

「屈折率計を充填ラインに取り付けてから最初の数週間で、すでに
製品の無駄を30%削減して節約を達成しました」 - お客様の声

スイスのオイルブレンドおよび製造会社は、世界中の多様な産業や用途向けに、さまざまな種類の特殊なオイルや潤滑油を製造しています。生産量を増やし、製品の無駄を減らすために、お客様は充填ラインの自動化のレベルを上げることにしました。従来は手動サンプリングと試験所の屈折率計を使用して、異なる製品間の境界を検出していました。これは、時間がかかり、人的資源を必要とし、最小限に抑えたい人為的エラーも引き起こしていました。

そこで、ヴァイサラのインラインプロセス屈折率計を充填ラインに設置して、面倒な手動サンプリングと試験所の分析から置き換えると、最初の数週間ですでに大幅の節約が達成されたと報告がありました。即時の投資回収が実現しただけでなく、試験所サンプリングによる製品品質のばらつきが排除され、製品仕様が保証されました。
 

Truck unloading station
タンクローリー荷降ろし設備の画像。ここでは、到着した化学物質を特定し、適切な化学物質が適切な仕様で提供されていることと適切な製品タンクに入ることを確認する必要があります。ヴァイサラのプロセス屈折率計によるインライン製品識別により、迅速で信頼性の高い製品識別と作業の安全性が確保されます。タンクの底に水がある場合、屈折率計は直ちにその警報を発します。屈折率計は屋外設置に適しています。

 

ヴァイサラ K-PATENTS® プロセス屈折率計:化学薬品用の最も信頼性が高く正確なウォッチドッグ

ヴァイサラのプロセス屈折率計は、次のような理由でさまざまな産業用途、特に化学工業のニーズに最適です。

  • 液体濃度計測は、0〜100重量パーセントに相当する nD = 1.3200~1.5300の全計測範囲において正確です。
  • 定期的なメンテナンスや再校正は必要ありません。
  • バイパス設備は不要で、水平または垂直に設置できます。

実際の溶解固形物のインライン屈折率計による計測は、液体中の未溶解固形物や気泡の影響を受けません。屈折率計は安全性を高め、本質安全防爆の認証を取得しています。要求の厳しい化学プロセスに適合する特殊な接液部品が利用可能です。

化学物質の界面検知および製品識別のプロセスに関するアプリケーションノートをダウンロードして、詳細をご覧ください。

Optimize chemical industry operations

化学処理

このページにアクセスして、用途に関する知識についての文書をご確認ください。

より良いデータが美味しいビールを生み出す

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ビールの製造と蒸留。
産業製造・プロセス
液体計測

ビール醸造業者の成功は、その情熱、固い決意、革新によってもたらされることがほとんどです。しかし、すでに開発されブランド化されているビールの場合、最も重要なのは一貫性です。そのため、プロセスの監視が重要な役割を担います。以下では、醸造プロセスのあらゆる段階にインライン屈折率計を戦略的に配置することによって、プロセスの最適化、エネルギーの節約、無駄の削減、コストの削減を可能にし、最高品質のビールを生産する方法を説明します。

サンプリングと常時監視
手動サンプリングと試験所での分析に依存している醸造所もありますが、このアプローチには多くの重大な欠点があります。そのため必然的に、インライン監視と自動化の増加を進める傾向が高まっています。 

もちろん、試験所での分析は研究開発に欠かせない要素です。さまざまな原材料やプロセスが風味や香りなどの特徴にもたらす効果を把握するには、試験所での分析が不可欠です。調査業務で化学的性質を把握しようとする際にも、試験所での分析が重要な役割を果たします。しかし生産という観点から見ると、サンプリングと分析ではコストと遅延が発生し、その価値が制限されることがあります。つまり、試験所での分析の結果によって問題が明らかになる頃には、すでにかなりの量の製品が醸造所を通過している可能性があります。同様に、サンプルとはある時点でのプロセスの「スナップショット」を表すものであり、フィードバック制御をサポートしたり、適切なタイミングでアラームを発生したりすることはできません。また、傾向を明らかにするのも困難です。

モニタリング技術
ヴァイサラ サニタリー屈折率計は、醸造所に合わせて、プラトー値、Brix値、ボーリング値、重量または密度への換算が可能です。この屈折率計は3-Aサニタリー認証とEHEDG認証を取得しており、CIP/SIP清浄やすすぎ手順への耐性を備えています。

醸造プロセスの多様な側面を監視するためにさまざまな技術が導入されていますが、濁度や密度を計測する一部の方法では計測誤差が生じることがあります。その原因となるのは、(特にマッシングの段階やろ過タンクで発生する)比較的大きな懸濁粒子やほとんどの段階で発生する気泡や泡による汚染と干渉です。屈折率を監視することが推奨されるのはそのためです。ヴァイサラの屈折率計には、このような干渉の影響を受けることなく醸造プロセスのすべての段階で正確な計測ができるという、重要な利点があります。

屈折率計には応答速度という利点もあります。後述するように、これはパッキング/充填ラインやCIPプロセスで特に効果を発揮します。

屈折率(RI)の計測はLED光源を使用して、プロセス媒体での光の屈折に基づいて行います。光の全反射が始まる臨界角は、センサによって継続的に検出されます。溶解固形物の濃度は、事前に指定されたプロセス条件を考慮して計算されます。これに従い、ヴァイサラのサニタリー屈折率計は、工場出荷時に特定の醸造所の要件を満たすように校正されます。ヴァイサラのサニタリー屈折率計は醸造プロセスのほとんどの段階に導入されています。その一部を以下に示します。

マッシング 
マッシングは通常、タンクで行われます。このタンクは、偽底を備えた断熱醸造容器です。麦芽を熱湯に浸麦すると、麦芽中のデンプンを分解して単糖を放出する酵素が活性化され、麦汁が生成されます。

マッシングは、ビールの最終的な構造を決定する重要なステップです。そのため、麦汁の生成の一貫性を維持することが重要です。屈折率計は、出口パイプで麦芽汁の濃度を計測するために使用されます。 

穀物が麦汁から分離されるプロセスはロータリングと呼ばれ、多くの場合、ろ過タンクと呼ばれる個別のチャンバーで行われます。

ロータリング
スパージ水でろ過タンク内部の穀物に対してすすぎを行うことによって、糖分が抽出されます。すすぎを行っている間に濃度が徐々に低下し、透明度の高い麦汁が生成されます。屈折率計はこの濃度を継続的に計測して、すすぎを止める適切なポイントを検出することを可能にします。これにより、水の過度な使用を防ぎ、エネルギーを節約できます。 

麦汁煮沸
糖分を含む麦汁が分離された後、この麦汁は麦汁煮沸釜(醸造タンク)で低温殺菌されます。この段階で、ホップなどの風味付けのための材料を加えることができます。麦汁煮沸で酵素活性が抑制され、起泡性タンパク質が維持され、不要な揮発性風味物質が蒸発することによって、望ましい味と香りの化合物が形成されます。また、麦汁煮沸は適切な濃度と重量での醸造を可能にするため、醸造プロセスの非常に重要な段階であると言えます。

麦汁煮沸釜に屈折率計を直接設置して、麦汁の濃度と重量の連続計測を行うことによって、醸造業者は麦汁が必要な濃度に到達した瞬間を判断できます。これにより、ビールの品質と一貫性が向上すると同時に、醸造時間とエネルギー消費が最適化されます。

ワールプール処理
煮沸後、麦汁はワールプールに移され、そこで苦い麦汁から固体粒子(ホップの残りと凝固タンパク質)が分離されます。ワールプールでは残留粒子が凝固し、トラブと呼ばれるスラッジとなって液体中に沈殿します。このスラッジの一部は醸造タンクの底部から除去されます。透明度の高い苦い麦汁を生成して次の段階に送るには、固形物をすばやく効果的に除去することが重要です。そのために、ワールプールの前後に屈折率計を設置できます。
 

Beer brewery


冷却
煮沸が完了すると、麦汁は熱交換器によって冷却され、麦汁の煮沸に使用されたエネルギーの一部が回収されます。品質管理対策として屈折率計を冷却器の出口に設置することで、発酵前に苦い麦汁に正しい量の溶解固形分が含まれていることを確認できます。他には、必要な仕様を満たさない苦い麦汁を使用する可能性を回避するために、ボイラーの後やワールプールの前に計測を行うこともできます。

発酵
発酵プロセスでは、酵母によって麦汁中の糖とアミノ酸が二酸化炭素とアルコールに変化します。発酵液の重量は、比重、すなわち水に対する相対密度として計測されます。醸造業界では、この重量は主にプラトースケールで計測されます。このスケールは、ワイン業界で使用されるBrixスケールと非常によく似ています。

使用済みの酵母を発酵槽の底部に集めて定期的に除去することによって、ビールが清澄化されます。

麦汁の密度は糖度に応じて変化するため、発酵が進むにつれて密度の計測値は低下します。アルコール度数は、元の麦汁の重量と現在の比重の差から計算できます。このように屈折率計を使用することで、発酵プロセスの厳密な追跡が可能になります。プロセスに関するリアルタイムの情報が提供されるため、醸造業者は発酵がいつ完了するかを正確に判断できます。

ろ過と熟成
熟成には、一次発酵が終了し、ビールから酵母を除去するまでのすべての変化が含まれます。発酵後、ビールを休ませて、残っている使用済みの酵母を沈殿させます。一方で、ビールの清澄化をさらに進めるために、さまざまなろ過技術が使用されることもよくあります。これは、ビールの品質プロファイル(風味、苦味、臭い、泡の安定性、透明度、色、アルコール含有量、ガス含有量)に影響を与えることができる最後の機会です。これらはすべてブランドの要件によって異なります。屈折率計はこのような品質の管理において重要な役割を果たします。

充填とCIP
流通プロセスに送る準備ができたビールを詰めるボトル、缶、カスク、樽などは、清潔で滅菌されている必要があります。さらに、パイプ、容器、タンク、パッキング装置の内面は、バッチや製品を切り替えるたびに洗浄する必要があります。この定置洗浄(CIP)と呼ばれるプロセスは、ビール製品を微生物汚染や化学物質による汚染から保護します。最新の大規模な醸造所では、洗浄プロセスの複雑化により、速度と効率を向上してコストを削減するために自動化が進められています。 

充填ラインで屈折率計を使用すると、製品と製品の境界や、製品とCIP洗浄の境界をすぐに検出できます。これにより、製品やバッチの効率的な切り替えが可能になります。屈折率計の出力信号は、品質管理のための監視や、パッキングする製品の正しい選択にも活用できます。屈折率計の応答速度は(製品/洗浄剤/水の)界面を非常に迅速に検出することを可能にするため、無駄がなくなり、製品汚染の発生を防止できます。

ヴァイサラの屈折率計を使用してパッキングと CIP プロセスの常時監視を行うことにより、自動化が可能になり、無駄が減り、コストとエネルギー使用量が削減されます。 

醸造所全体で屈折率計を使用するメリット
他の方法とは異なるヴァイサラの屈折率計の大きな利点は、醸造プロセスのあらゆる段階についてより優れた洞察が得られる点です。屈折率計は懸濁粒子、気泡、色の影響を受けず、蒸気や高圧の熱湯によって自動プリズム洗浄を行うオプションを使用すれば、スケールや付着物の影響も受けません。

ヴァイサラのすべての屈折率計は、工場出荷時に全計測範囲(例:プラトー値で0〜100度)に対して校正が行われています。つまり、パラメータの変更を行うことなく、設置場所間で自由に交換することができます。さらに、ヴァイサラの屈折率計には定期的な再校正やメンテナンスが必要ありません。 

以上のように、醸造業者の成功は情熱、固い決意、革新によって支えられていることは確かですが、屈折率計を使用することでプロセスの最適化、無駄の削減、エネルギー消費の削減を実現でき、醸造業者は良質のビールを一貫して生産し続けられるという確信を得ることができます。
 

飲料加工処理

インラインで麦汁のPlato値を計測し、ビール醸造プロセスを最適化

ビール醸造の最適化に関するアプリケーションノートをダウンロードして、詳細をご覧ください。 

インラインプロセス屈折率計

インラインプロセス屈折率計

屈折率計の技術とその幅広い産業用途の詳細については、屈折率計に関する専用のページをご覧ください。

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ポリアミド(ナイロン)繊維製造プロセス

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産業製造・プロセス
液体計測

ナイロン6-6は最初に商業的に作られた全合成繊維です。アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの重合反応から生じる生成物はナイロン6-6と呼ばれます。この名前は、それぞれ6個の炭素原子を含む2つの未加工の化学成分の分子鎖に由来します。
 

アジピン酸とヘキサメチレンジアミンとの反応は、一般にナイロン塩と呼ばれるアジピン酸ヘキサメチレンジアンモニウムを生成します。
不純物が非常に少ない高品質の繊維を達成することができるように、材料が重合されることが必須です。

種々のタイプのナイロンは、それぞれのプロセスを使用することによって生成することができます。 
バッチ法では、アジピン酸ヘキサメチレンジアンモニウム溶液を蒸発器中で濃縮し、酢酸を添加して鎖長を安定化させます。
蒸発後、塩溶液を加熱し、残りの水を除去します。TiO2分散液を添加し、重合を行います。重合が完了した後、溶融粘性ポリマーをオートクレーブの底部を通って注型ホイール上に押し出し、可能な限り迅速に押し出します。

ナイロンはまた、連続処理によって製造され、これは、大量生産のためにより経済的ですが、バッチプロセスの柔軟性は、最終製品の変動を可能にします。
ナイロン6、すなわちカプロラクタムは、ただ1つの成分であるカプロラクタムに由来するポリマー繊維です。
ナイロン6-6よりも融点は低いですが、染色性、弾力性、耐光性等に優れています。他のタイプのナイロンも有用な異なる特性を有します。


 

計装・設置
合成繊維、ナイロン繊維製造プロセス

合成繊維、ナイロン繊維、

 

<このアプリケーションに最適なヴァイサラの製品>

プロセス屈折率計PR-43-GPは、ナイロン塩、カプロラクタムおよびポリマー溶液濃度を監視および制御するために使用されます。
屈折計は、目標濃度が達成されることを確実にするために、蒸発器の後に設置されます。
また蒸発効率のリアルタイムモニタリングのために、別の屈折率計を蒸発器の前に設置することができます。
屈折率計は、例えば、熱流または蒸発への供給を調節することによって、蒸発の自動制御に使用することができるイーサネットおよび4~20mAの出力信号を提供します。
ナイロン塩の典型的な屈折率測定範囲は1.3300~1.4100であり、処理温度は60ºC(140ºF)です。
カプロラクタムの典型的な屈折率測定範囲は1.3370~1.3570です。
 

詳しい情報や製品情報のご説明が必要な場合は下記からお問い合わせください。

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水処理におけるアンモニア除去

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Water treatment plant
産業計測
液体計測

少量のアンモニア(NH3)は帯水層には自然界に存在します。高い含有率となる場合は不純物と考えられます。下水の逆流や排水システムの問題、肥料として使用される農業地域での流出、不十分な排水や固形廃棄物の処理・処理などの問題が生じます。アンモニアは、最終的には、ビタミン欠乏を引き起こし得る亜硝酸塩、そして硝酸塩に変換します。他の成分と混合されると、人体への有害物質となり得るため、水中にある成分としては望ましくありません。さらに、アンモニア濃度の上昇は、藻類を含む水生生物の集中的増殖に繋がり、これは、水質の透明度、臭い、味ならびに細菌汚染などの劣化をもたらします。


用途
地下水苛性ソーダ(30%)へのアンモニア処理には、活性炭および塩化第二鉄(FeCl3)を使用します。苛性ソーダは化学試薬であり、pH調整、イオン交換体再生剤、触媒、エッチングまたは洗浄剤としても使用されます。活性炭は、溶存有機物の濾過媒体として、ならびに色、味および臭気を引き起こす化合物の除去のために使用され、アンモニアの吸着能力の向上に役立ちます。
塩化第二鉄は、濁度の処理、および原水からの色、天然有機物質、およびヒ素のさらなる除去のために使用される凝集剤です。このようにしてアンモニアは、プロセスから除去されます。

ストリッピング媒体として硫酸(50%)を使用します。吸着塔に添加した硫酸は、アンモニアを硫酸アンモニウム((NH4)2SO4)に変換します。硫酸アンモニウムは、無機塩です。
その最も一般的な用途は土壌肥料です。
 

計装・設置
屈折率計PR-23-Mは、硫酸アンモニウム濃度のインラインおよび連続測定を提供します。
濃度値が正常値の場合、硫酸アンモニウムは、さらなる使用のために保存することができます。
濃度が規格外の場合、さらなる処理のためにリサイクルされ、吸着プロセスはそれに応じて調整されます。
プロセスを正確に管理し、製品を排出またはさらにリサイクルするために、硫酸アンモニウム濃度値を常に監視することが重要です。
この用途における目標濃度は多くの場合、約30%とされています。(*用途によって異なります)
屈折計は、通常、吸着塔の出口付近に取り付けられます。

 

硫酸アンモニウム

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食品成分

食品成分

eBook:食品成分、機能性および栄養成分のプロセスに関するベストプラクティス

持続可能な食品原料処理のベストプラクティスを先取りする

食品原料メーカーは、廃棄物とエネルギーを削減しながらどのように食品の安全性と製品品質を高く保つことができるでしょうか。

最大 0.05 Brix の精度でインラインBrix値計測および乾燥固形分計測を利用することで、原材料の投入から最終製品の品質管理に至るまで、あらゆる処理段階を最適化することができます。

このeBookでは、ペクチンパウダー、酵母エキス、ホエイ、ハーブエキス、グルタミン酸ナトリウム(MSG)、カロブパウダー、トレハロース、キシリトール、ラクツロース、カゼインナトリウム、ラクトフェリン、乳酸カリウムなどの機能性成分および栄養成分のプロセスに関するベストプラクティスをまとめています。

本eBookでは、食品成分の生産における以下の最適化について解説しています。ダウンロードして詳細をご覧ください。
 

  • 噴霧乾燥
  • 発酵
  • 溶媒抽出
  • 蒸留
  • 結晶化
  • 限外ろ過およびナノろ過

これらの用途では、製品品質管理とプロセス制御に K-PATENTS® デジタルインラインサニタリー屈折率計を使用することで、高度な光学イメージ検出、計測データ、診断値に基づく独自のリモートプロセス診断を行うことができます。

お客様の声
「色、気泡、粒子、果肉、流れや圧力の変化、振動、または温度の影響を受けずに正確なBrix値を計測できます。」 

「手間のかかるサンプリングが必要なく、計測エラーが発生することがないため、品質管理担当者は他の重要なタスクに集中できます。」

フォームに入力していただくと、eBook (PDF) をダウンロードできます。
 

インライン屈折率計のすべての食品・飲料業界向け用途についてはこちらからご覧ください。

Food Ingredients eBook

 

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ヴァイサラがタングステンのCMPでのH2O2濃度の評価において、多くの半導体製造工場から選ばれるベンダーである理由

半導体ウエハー
産業計測
液体計測
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化学機械平坦化/研磨(CMP)は、化学反応と機械的摩耗を組み合わせた重要なナノ研磨プロセスですが、非常にコストがかかるうえ困難なプロセスでもあります。そして、集積回路の製造における重要な実現ステップであり、生産量と生産性の両方に影響を与えます。

CMPの概要

研磨には、酸化剤、通常は過酸化水素(H2O2)を含むスラリーが使用されます。製造プロセスにおいて、ウエハーとパッドの両方がわずかに異なる速度で反時計回りに回転している間、ウエハーが研磨パッドに押し付けられます。パッドの中央にスラリーが供給されると、機械的作用と化学的作用の両方によってウエハーの表面から物質が徐々に除去され、表面が局所的および全体的に平面になります。  

CMPスラリーは、使用前に工場で混合または希釈されます。酸化物研磨スラリーは通常、濃縮された形で購入され、輸送費と人件費を最小限に抑えるために現場で水を使って希釈されます。一部の多成分研磨スラリーは、混合後の寿命が短いため、使用の直前までブレンドできません。化学反応速度とウエハー研磨速度に直接関係するため、正しいブレンドが不可欠です。ブレンドに欠陥があると、製造性と信頼性に悪影響が及びます。製造場所(POM)でスラリー管理が厳格に行われても、輸送、取り扱い、ろ過などの後続のプロセスが化学的性質に影響を与える可能性があるため、高い生産量を確保するには、使用時点(POU)まで継続的にスラリーをモニタリングする必要があります。効果的で、迅速で、信頼性が高く、正確で、費用効果の高い計測ツールと方法が必要なため、多くの製造工場で屈折率計が使用されています。

屈折率を利用した生産品質の向上

屈折率(RI)(スラリーを消費しないインラインの連続計測)を使用すると、プロセスに関するリアルタイムの情報が得られるため、製造工場はスラリー組成の異常を迅速に特定し、危険にさらされるウエハーの数を減らすことができます。

CMPスラリーは、スラリーの種類に応じて1〜30%の固形分レベルまでナノ粒子を運ぶため、分析が困難になります。ただし、特定のスラリーの温度やRI特性に合わせて校正すると、こうした困難な条件下でも、RI計測を使って重量比±0.03%以内でタングステンスラリー中の過酸化水素の濃度を特定できます。

さらに、導電率プローブテストとは異なり、RI計測では、時間の経過に伴うスラリーの沈降と劣化の指標であるH2O2スラリー密度をモニタリングできます。したがって、RIは最終製品を評価するだけでなく、流入する生スラリーのバッチ間のばらつきをモニタリングし、ブレンド追加ステップをバリデーションするためにも使用されます。

一部のスラリー供給システムには、デイタンクで自動化された化学物質スパイキング機能を使用できるという魅力的な機能が備わっています。

Inline refractive index vs. online titration of H2O2 in slurry conc%
Inline refractive index vs. online titration of hydrogen peroxide in slurry conc%

ヴァイサラ半導体製造プロセス向け屈折計のメリット

ヴァイサラ半導体製造プロセス向け屈折計は、半導体製造環境用に設計されています。設置面積が小さく、メタルフリー構造をしているため、プロセスを腐食させることなく化学物質を計測するのに適しています。

ヴァイサラ半導体製造プロセス向け屈折計は、以下の理由からCMP操作に最適です。

  • 計測は完全にデジタルであり、ドリフトは発生しません
  • 統合された温度計測部品により、高精度のRI計測を実現します
  • 直接密度計測が可能です
  • 堅牢な設計により、計測誤差なしでプロセスの振動に耐えることができます
  • 内蔵の診断機能により、プロセス条件の概要をすぐに確認できます
  • 付着物の低減や完全な排除もできるように設計されている、さまざまな高品質のフローセルを利用できます

参考資料

Diversified Fluid SolutionsはCMP操作で何年にもわたってヴァイサラ半導体製造プロセス向け屈折計を使用しており、この機器の信頼性と正確性が極めて高いことを実感しています。「高度なプロセスノードではCMPステップの数が増えるため、研磨ツールに供給されるスラリーが一貫した化学的特性と機械的特性を確実に維持する必要があります」と、Diversified Fluid SolutionsのR&D科学技術ディレクターであるKarl Urquhart氏は言います。「インラインRIモニタリングを使うと、スラリーを消費しない単一のリアルタイム計測で、流入する材料の化学組成を評価し、ブレンド追加ステップを確認し、均一なCMPスラリーブレンドをバリデーションできます。」

2013年に、自動滴定に代わってCMPスラリーの最初のH2O2計測器が、大規模な半導体製造工場に設置されました。それ以来、計測機器は安定して稼働しており、スラリーブレンダーの定期洗浄以外に機器のメンテナンスは必要ありません。

一般に、ヴァイサラ半導体製造プロセス向け屈折率計を設置した後、製造工場でのウエハースループットが約20%向上しています。さらに、CMPスラリーは厳密に制御されており、平坦化プロセスの均一性も向上できます。

さらに詳しい内容はこちら

RI計測は、スラリー組成に関するリアルタイムの情報を提供するシンプルで費用効果の高い正確な手法であり、屈折率計は多くの製造工場で計測機器として採用されています。

詳細については、当社にお問い合わせください。