Boston IVF - ヴァイサラの校正に|より生殖補助医療において胚に|最適な CO2 の維持を実現

Boston IVF のインキュベータとハンディタイプ CO2 計測器
United States
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ライフサイエンス

Boston IVFは、体外受精(IVF)を含む生殖補助医療技術をボストン広域の28施設で提供しています。1986年以降、Boston IVFの生殖医療によって、9万の新しい命が誕生しています。Boston IVFの胚用インキュベータは、同クリニックの施設において最も重要な機器の1つです。

Boston IVF Waltham Fertility Centerの主任胎生学者であるPam Jarmuz氏は、以下のように話します。「温度、湿度、pHをモニタリングして、胚に最適な環境を維持しています。培養中の pH レベルは非常に重要な計測値であり、pHレベルは CO2レベルに依存しているため、チャンバー内のCO2の濃度をモニタリングすることによって得ることができます。」しかし、間接的な計測の場合、計測値の不確実性をおさえるためにセンサは高精度でなければなりません。

インキュベータ内蔵センサの精度における逸脱は、ヴァイサラのハンディタイプ計測器を使用してチャンバーを毎日チェックすることですぐに検出することができます。ほとんどのインキュベータセンサは一点でのみ校正されているため、必要に応じたCO2レベルで調整を行うには、さらに精度の高い計測器が求められます。Boston IVFでは、毎日の品質管理のために、CARBOCAP® センサを搭載した GM70 ハンディタイプCO2計を使用しています。

 「IVFインキュベータの最適な条件は、温度37°C、相対湿度85% ~ 100%、CO2 6.8% ~ 7.2%で、これにより媒体のpHが7.2~7.4に維持されます。センサを搭載した最高品質のインキュベータを使用していますが、インキュベータを毎日チェックし、各計測パラメータのレベルを記録して、各チャンバーの二酸化炭素レベルに対しては、ヴァイサラの高精度な計測に基づいて調整を行っています。」

- Boston IVF Waltham Fertility Center 主任胎生学者、Pam Jarmuz 氏


革新的な CO2 技術

CO2センサの精度に影響を及ぼすものに、湿度と熱があります。ヴァイサラは、過酷な条件や高い湿度で二酸化炭素を計測できる、非分散型赤外線吸収法(NDIR)CO2センサ技術を開発しました。NDIRセンサでは、光がチューブを通過するとき、CO2ガス分子が赤外線の中の同じサイズの波長のみを吸収し、他の波長は無視されます。ヴァイサラは、この技術を簡素化し、独自開発の Microglow 赤外線光源によって、製品寿命を延ばし、消費電力を大幅に低減させています。Microglow光源はppmと%レベル両方のヴァイサラ CARBOCAP®CO2センサに組み込まれ、メンテナンスと校正の必要性が最小限に抑えられています。

CARBOCAP® には、独自開発の二波長検出用のファブリ・ペロー干渉(FPI)による可変フィルタが装着されています。つまり、CARBOCAP® センサでは、CO2 の吸収波長に加え、基準波長を検出することで、光源の劣化だけでなく、汚染の堆積による変化補正されます。これにより、長期安定性に優れたセンサとなり、精度の高い CO2計測が求められるインキュベータのスポットチェックには最適な計測器となります。

校正サービスにより規制に関するニーズに対応

「運用を監査している規制機関や認定機関はいくつかあります。数ある機関の中でも、わたしたちはFDAの検査を受けて登録されており、CAPによって認定され、Society for Reproductive Technologyによって認証されています。」と Jarmuz氏は語ります。

生殖組織は、ヒトの細胞、組織、および細胞/組織由来製品(HCT/P)として規制されています。HCT/Pを扱い、処理し、保管または流通させる組織は、FDAに登録し、連邦規則(CFR)第21条第1271章に準拠しなければなりません。米国病理学会(CAP)は、米国生殖医学会議の協力のもと、生殖医療研究所の認定を行っており、Boston IVFは、認定プログラムの一環として、CAPによる検査を定期的に受けています。

「少なくとも1年に一度検査を受けています。インキュベータの状態やすべての機器に関する校正の記録について詳細な文書を用意することが重要になります。」とJarmuz氏は述べます。「非常にまれですが、ヴァイサラの計測器とインキュベータの内部センサで、CO2計測値が異なることがあります。そのようなときは、ガス媒体を適正な値を示している空のチャンバーに流し、変動が発生しているチャンバーをモニタリングしてレベルが釣り合っているか確認します。

ヴァイサラのハンディタイプ計測器でチャンバーのチェックを続けて、CO2 レベルが引き続き変動する場合は、技術者にインキュベータをメンテナンスさせます。マザーボード(電子回路基板)のような電子的な問題のときもありますが、ヴァイサラの計測器は予防保守における最前線なので、ハンディタイプ計測器は必ず定期的に校正を行っています。」

校正ケア

ヴァイサラの校正室は、ISO/IEC 17025、米国の A2LA、フィンランドの FINAS に認定されています。「ヴァイサラの校正サービスは迅速かつ簡単に依頼できて、プロセスも計測機器の精度を保つのに有効なので気に入っています。」とJarmuz氏は話します。「インキュベータは、私たちのサービスにとって非常に重要であり、ヴァイサラはその運用に付加価値を与えてくれました。」

2015年、Boston IVFは、Clinical Sciences Institute of Optumにより、生殖補助医療において優れた臨床治療を提供している施設として優秀施設に指定されました。この栄誉は、クラス最高の優れた患者ケア、品質ガイドライン、および臨床転帰を提供することにより得られるものです。Boston IVF は、最先端技術によって毎年新しい家族を生み出し育てています。そして、ヴァイサラの校正サービスは、ボストン中の何千ものカップルの希望を抱いた培養チャンバーの最適な条件の維持を実現しているのです。

「ヴァイサラの校正サービスを利用することで、信頼性の高い CO2計測を簡単に実現できています。また、計測機器に問題が発生した場合に修理を依頼できるので、計測機器のメーカーを利用したいと考えています。ヴァイサラなら、オンラインストアで依頼するとほんの数日で対応してくれます。」

- Boston IVF Waltham Fertility Center 主任胎生学者、Pam Jarmuz 氏