薬剤耐性菌感染症（スーパーバグ）との戦い：過酸化水素蒸気除染におけるイノベーションと コラボレーション

2014年、英国により委託された第三者機関の報告によれば、2050年までに薬物耐性菌による感染症によって1,000万人が死亡し、損害額は100兆ドルを超  えると推定されています（「Antimicrobial Resistance: Tackling a Crisis for the Health and Wealth of Nations」（『抗微生物薬耐性：国家の健康および 財務の危機に対する取り組み』（英語））を参照）。薬物耐性菌、いわゆる「スーパーバグ」には、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（MRSA）、バンコマイシン耐  性腸球菌（VRE）、クロストリジウムディフィシル（C. difficile）、カンジダ・アウ リスなどの耐性菌があります。

2016年に国連事務総長により抗微生物薬の耐性に関する国際機関の調整グループ（IACG）が設立されました。IACGは、2019年4月に「No time to Wait: Securing the　future from Drug-resistant Infections」（『待ったなし：薬物耐性菌による感染症から未来を守る』（英語））と題するレポートを国連に提出しています。
このレポートでは、抗微生物薬耐性（AMR）の脅威と戦うために、「未来を守るためのイノベーションをおこすこと」や「より効果的な対策のために連携すること」など、
5つのことが推奨されています。フィンランドでは、VTTフィンランド技術研究センター、ポータブル過酸化水素蒸気発生器メーカーのCleamix、産業計測システムおよびセンサメーカーのVaisala Oyjの間で、薬物耐性菌と戦うためのコラボレーションとイノベーションが行われています。

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