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高さを利用した垂直農法:ヴァイサラセンサとFifth Seasonの事例

紫色の LED を使用した垂直農法
United States
Published: Jan 15, 2021
温室/室内農業
産業計測

垂直農法は文字どおり、上方向に展開する農法です。日光、土、広大な土地がなくても、問題ありません。少なくとも、屋内垂直農法を展開する企業のFifth Seasonではうまく行っています。

「屋外の状態を心配する必要がない場合、垂直に展開するメリットがあります。当社では、人口密集地に近い都市部で、年中植物を育てることができます」と語るのは、Fifth Seasonの共同創設者であり、CTO/COOのBrac Webb氏です。

人工知能(AI)、センサ、データモデリング、ロボットを高度に組み合わせて使用したFifth Seasonの技術により、各植物がそれぞれ必要とする要素に、高レベルの効率と精度で対応することができます。その中でも、センサとそのデータは最も重要な役割を果たします。「植物は何が必要かを正確に伝えてくれます。私たちはそれに対応すればよいだけです。」とWebb氏は言います。「ヴァイサラセンサのデータを常に収集して、植物の成長に最も重要な条件を計測して維持し、そのような情報を活用しています。」

背景

Fifth Seasonの事例はまさにアメリカンドリームの物語です。

このスタートアップ企業は、友人であり起業家である3人の共同創設者、Brac Webb氏、Austin Webb氏、Austin Lawrence氏により創業されました。当初、RoBotany Ltd.として2016年に設立された同社は、カーネギーメロン大学(CMU)のSwartz Center for Entrepreneurship(起業支援センター)から始まりました。

「当社は技術企業としてスタートし、最初は垂直農法の問題を検討しました。そして、技術的問題を解決するために何ができるかを考えました。」とWebb氏は話します。「当社の進歩の多くは、HVACセンサとLEDライトの進化によってもたらされました。当社には既に計画があったので、大変だけど全部やってみようということになったのです。」

Fifth Seasonは現在、ペンシルバニア州ブラドックのピッツバーグ地区にある60,000平方フィートの太陽光発電垂直農場を保有しています。同社の25,000平方フィートの栽培室は12段で構成され、40種類のロボットが装備されています。その生産能力は125,000平方フィートを超えています。トラックや飛行機で数千マイルを移動する従来の農産物と比較して、垂直農法により地元で栽培された新鮮な農産物は、消費者に届くまでにわずか数マイルしか移動する必要がありません。同社はルッコラ、ほうれん草などの葉物野菜の生産の他、調理済みのサラダを製造し、Giant Eagleを始めとしたさまざまな小売業者など、地元の顧客に販売しています。同社はまた、ウェブサイトで消費者への直接販売モデルを立ち上げました。

40台のロボットから構成される小さな部隊を活用して、 保管、回収、収穫、総合的病害虫管理、偵察、播種、培地包装などといった垂直栽培のほぼすべての作業を合理化しています。人が携わるのはプロセスの最小限の作業で、主にロボット部隊を調整して特定のレシピやその他のタスクを実行します。これにより、人件費も従来農法の40%からわずか20%に削減できます。

「当社では従来の方法を使用するのではなく、より多くのロボット工学的アプローチを活用した最先端技術を採用しています。また、閉ループ制御だけでなく、植物の成長や環境の変化に対して警報を発生させるヴァイサラセンサを使用し、大量のデータを収集しています。」とWebb氏は話します。

業界の概要

既存技術と新しい技術を活用して管理されている小さなスペースで、成長環境を24時間365日包括的に管理できることが、他の種類の 農法に勝るとよく言われるこの農法の競争優位性です。垂直農法は、効率的な資源管理でも知られています。たとえば、水と栄養素からなる溶液で植物を育てる水耕法アプローチにより、 Fifth Seasonは従来の農法と比較して、使用する土地と水をそれぞれ97%および95%削減しています。

垂直農法は、害虫、日光、土といった農業の不確実性を取り除き、 AI、人工光、センサモニタリング、 空調管理システムなどのさまざまな組み合わせにより、このような不確実性を制御可能にします。作物は20 〜 30フィートの高さの層または列に積み重ねられることもあります。LEDライトはすべての垂直農法で使用され、植物ごとに特定の光レシピを作成し、光合成に必要な正確なスペクトル、光度、周波数を植物に提供します。LEDには、優れた色範囲、寿命、低放射熱、エネルギー効率といった複数のメリットがあります。また、リサイクルも可能で、水銀のような有毒な化合物や成分が含まれません。作物の種類によって、適切な照明の種類は異なります。たとえば、葉物野菜や栄養繁殖性作物は、スペクトルの青側に向かう光を好む一方で 、結実 作物や開花作物は、スペクトルの赤側に沿った光を必要とする場合があります

ヴァイサラセンサ

ヴァイサラを選んだ理由は何でしょうか?「安心は重要な要素です。ヴァイサラのセンサがあることで、安心することができます。成長環境に問題があると、すべての植物が枯れる可能性があります。つまり、それは当社のビジネスが失敗する可能性があるということです。」とWebb氏は述べます。「計測値に一度も疑問を持ったことはありませんし、これは今後も変わらないでしょう。しかしそれ以上に、ヴァイサラの技術を当社のエンジニアリングに迅速に統合して、すべてを素早く稼働させるために行われたヴァイサラのサポートも理由のひとつです。」とWebb氏は付け加えます。実際、光、湿度、CO2、温度を確実に制御しモニタリングすることは、Fifth Seasonにとって非常に重要です。つまり、多くのデータが必要です。

「私たちは、確か360個のヴァイサラ HMP110 湿度プローブと 温度プローブ、 36個のGMP252 CO2 プローを成長環境全体に配置しています。リアルタイムでデータを収集するだけではありません。ビッグデータの事後分析により、成長遍歴を確認することでこれらの植物について学ぶことができます。たとえば、味、品質、収量に最適な条件を達成するために、当社が植物にとって最適な成長環境であると考えたことも、実際はそうではないことが判明するかもしれません。」とWebb氏は述べます。「そうすると、軌道修正ができます。」

未来

世界の人口は増加し、2050年までに90億人に達すると予測され、この人口を維持するために必要な果物や野菜の量も増加します。生活に必要な生鮮食品の増加に対応できる農地はそれほど多くありません。米国農務省、 投資家、および起業家も同様に、垂直農法が世界の食料システムを強化する可能性があることを認めています。また、多額のベンチャーキャピタルに支えられたFifth Seasonのようなスタートアップ企業は、新鮮でヘルシーな食品を消費者に効率的に提供する新たなソリューションを実現する道を切り開いています。

「学べば学ぶほど、垂直農法を改善することができます」とWebb氏は言います。そして、「パソコンが野菜を味わえるところまで到達できればいいのですが」と冗談めかして付け加えました。 

Fifth Seasonの物語はまだ始まったばかりです。

「このような超地域密着型農業を再現したいと思っています。つまり、ここピッツバーグで新鮮な農産物を入手できるように問題を解決し、実現させるだけに留まるつもりはありません。この農法を米国のさまざまな場所で、また、将来的には世界中のさまざまな場所に展開しようと考えています。それが私たちの壮大なビジョンです」。

Fifth SeasonとWebb氏にとって、垂直農法の根底には、ビジネスを超越した 人道的目標もあります。 

「人として、そしてエンジニアとして、トーマス・ ジェファソン(米国大統領)の思想が気に入っています。つまり、農業とエンジニアリングはつながっており、農業は人類が 何よりもまず解決すべきエンジニアリングの問題であるという思想です。ヴァイサラは地方で雇用創出を支援しています。 当社はそれが経済にとっていかに重要であるかを目の当たりにしてきました。ヴァイサラの技術により、 植物に最適な環境を創出し、人々を助けることができるのです。」

詳細については、当社にお問い合わせください

導入事例の全文は以下からダウンロードしてください。