アプリケーションノート

温室内の CO2 濃度の最適化による生産性と品質の改善

二酸化炭素は作物の生育を促進します。温室内では、CO2 濃度を管理 することであらゆる作物の生育速度と成長具合を改善できます。こ れには継続的かつ正確な計測が求められますが、それはまさにヴァ イサラが得意とする領域です。

温室/室内農業

二酸化炭素はおそらく、地球温暖化の要 因である温室効果ガスの1つとして健康 への悪影響という面が目立っており、昔 ながらの温室で見られる有益な効果はあ まり知られていません。CO2 (二酸化炭 素)は光合成、つまり植物が太陽エネル ギーをバイオマスに変換するための「燃 料」となります。温室栽培においてCO2 は、十分な温度、光、栄養素および水と同 じく重要な生育要因です。そのため、温 室で生産性を向上するには、二酸化炭素 施肥は欠かせないものです

CO2 施肥による高品質な作物 の生産

二酸化炭素施肥は、高品質の作物と優れ た生産高を効率的かつ安全に実現できる 方法です。その原理は非常にシンプルで

す。温室内の CO2 濃度をモニタリングし て、作物の光合成が活発化するように調 整します。これは、特に日光が弱い時期に は非常に重要なことです。

CO2 濃度の最適化は、生産性の大幅な向 上(年間で最も日照時間が短い時期で 40%増)だけでなく、キュウリなどの品質 改善にもつながります。温室内でCO2 を理 想的なレベルに維持すれば、最高水準の 品質の作物が収穫できます。

GMP252 CO2スマートプローブ

ヴァイサラの GMP252 CO2 センサプロー ブは、温室でのCO2 濃度のモニタリングに 最適です。湿度が高く、過酷な環境用に 設計されたGMP252 は、IP65防水・防塵 の保護性能(NEMA4)を持ち、耐腐食性 にも優れています。温室モニタリングシス テムは、CO2 センサプローブを搭載するこ とにより、CO2 濃度を自動的に管理および 調整することもできます。温室に複数の CO2 値計測ポイントがある場合は、温室全 体での最適な濃度が表示されます。

年間を通じて理想的な生育環境

温室内の CO2 濃度が最適なレベル以下に なった場合は、一連のパイプとノズルを通 じてより多くのCO2が自動的に供給され ます。二酸化炭素を均等に行き渡らせる ために、複数のノズルがそれぞれ2メート ル間隔で温室に設置されています。CO2 は 液化ガスを燃料にしてボイラーで生産さ れるか、そのままのかたちで投入されま す。C O 2濃 度 は 適 切 なレ ベ ル(800 ~1000ppm)に維持する必要があり、濃 度が高過ぎると作物に悪影響を及ぼしま す。温室内の最適な温度は作物種の生育 状況によって異なり、光合成の活動には状 況に応じて15~24 °Cであることが求めら れます。また、望ましい相対湿度も作物種 の生育状況によって異なり、通常は50% ~70%の範囲です。作物の健康状態を維 持できるよう、あらゆる生育要因の相互作 用を考慮に入れる必要があります。

CO2 施肥もまた、日照時間の少ない時期 には有効です。人工光の効果が高まり、 結果的に光の不足を補うことができるの で、作物の生育も阻害されません。この ことは温室栽培にとって、特に北欧地域 においては非常に重要になります。CO2 濃度を適切にすると、通常よりも収穫時 期が早まります。この施肥方法では、有害 な副生成物は発生せず、過度な水分は排 出されません。むしろ、健康的な作物と 豊かな収穫が得られるのです。

計測機器の選定のヒント

  • 高精度、長期安定性の要件
  • 保護等級 IP65/NEMA4 以上の機器
  • 高い相対湿度で動作範囲を確保
  • 結露からの回復機能
  • センサ応答時間
  • 温度・湿度センサ向けの日よけ
  • センサ信号出力と制御システムの互換性
  • 校正期間と校正のしやすさの要件
  • 可動部分の損耗の可能性
  • スペアパーツの提供状況

温室での変換器の配置のヒント

  • 温室環境内をよく表しているセンサの位置を選択してください。
  • CO2センサを通気口や排気口付近に配置しないでください。
  • 温度センサは作物区域に配置してください。温度センサを屋根付近または加温パイプライン付近の壁に取り付けると、作物周辺の温度が計測されません。
  • 湿度センサはヒーター、加温パイプライン、ファン、壁、または灌漑用スプリンクラー付近に配置しないでください。

CO₂ Probe GMP252

GMP252は、アナログ(V、mA)およ びデジタル(ヴァイサラプロトコル またはModbusによるRS-485)出力を 備えたプローブです。GMP252プロー ブは、Indigo200 シリーズ変換器に接 続することで、ディスプレイ表示や リレーなど、機能拡張することもでき ます。

E-mail Facebook Twitter LinkedIn