焼酎蒸溜工程に導入されたヴァイサラの屈折率技術

Nikka-Whisky-Japanese-Success-Story
液体計測

繊細な焼酎の風味:杜氏の熟練の技で引き継がれてきたプロセス

ニッカウヰスキー門司工場では複数の本格麦焼酎が製造されています。焼酎には「乙類」と「甲類」の2種類があり、一般的に単式蒸溜方式で作った「乙類焼酎」は原料の風味や香味を活かした味わいが特徴です。また、連続式蒸溜方式の「甲類焼酎」は素朴な味わいで知られており、両蒸溜方式はもともとウイスキー造りなどに利用された製造法です。

「自社の乙類焼酎の華やかな香りは酵母が生成するエステル(香り成分)が主になっております。製麹から蒸溜まで気の抜ける作業は1つもありません。特に発酵温度管理は発酵状態に合わせて毎日温度を制御し酵母が健全に発酵しやすい環境を整えています。」
ニッカウヰスキー門司工場
高橋伊織様

高橋様がおっしゃる通り、焼酎製造工程では麹、麹と酵母を混ぜた酒母など生きている原料に向き合うため、自動化された大規模の生産工場においても、熟練した醸造家の技や五感が必要になる部分が大きいそうです。また日々変化する気温や湿度などの外気環境に合わせて麹の生育状態や加える水分量などを詳細にコントロールするためには、知見やフィードバックの積み重ねが鍵となります。大規模な設備投資による自動化が進む一方、伝承されてきた杜氏の技と情熱が今も息づく工程です。

 

サンプリング計測からインライン連続計測になったアルコール濃度検出プロセス

ヴァイサラの屈折率計は、減圧蒸溜後のアルコール濃度(度数)検知の目的で、蒸溜が行われる蒸溜機の出口に設置され、インライン濃度測定が行われています。焼酎の製造工程において、蒸溜を停止するタイミングは非常に重要です。蒸溜の初期、中期、後期では味が全く異なるため、好ましい味に仕上げるには適切なタイミングを逃すことができません。停止する時間の遅れは酒質に大きく影響を与えます。一方、停止時間が早過ぎるとアルコールの収得量が不十分になります。インラインでの屈折率によるアルコール濃度計測の導入以前は、バッチが終了する間際に、数回のサンプリング分析が必要でした。このため蒸溜の停止タイミングが近づいた際には常に担当者が現場に張り付いて作業する必要がありました。この作業は製麹、酒母発酵、2次発酵と約一か月に及ぶ長い工程を経た後での失敗が許されない重要な作業ですが、個々の担当者のサンプリング測定が酒質やアルコール収得量に直接影響を与えます。常時監視の正確な数値管理が可能になれば安定した品質につながることは明白でしたが、このためには多品種の原酒にも対応できる高精度の計器が必要とされていました。

 


高精度のヴァイサラ屈折率計との出逢い


ヴァイサラが事前に行った検量線作成では、工場にてご用意いただいたサンプルと、ヴァイサラ屈折率計の屈折率指示値に相関性があることを確認いただきました。このデータに信頼
性があったため、その後プロセスラインに実機を据え付けたオンサイト試験を実施されました。1 か月にわたる試験結果でも、精度よくこの相関関係が確認でき、実際の現場でも運用できることが検証されました。また懸念していたプリズムの汚れや、それに起因する精度の低下なかったことから、プリズムの自浄作用も確認できました。

「自浄効果が確認できなかった場合、付帯設備で計器のCIP洗浄設備の導入も検討していましたが、その必要もなく、設備投資額を抑えられたことも大きな導入の要因となりました。」
高橋伊織様

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