高精度な溶解ガス監視で|持続的な管理を実現

Optimus™ OPT100 DGA監視装置
Senja Leivo
専門家に会う:Senja Leivo
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送電

発電にも送電にも変圧器が不可欠です。そのため、安定した高い水準の電力供給を維持するために、変圧器の監視を行うことが重要です。こうした重要性の高い変圧器の絶縁油を常時監視することは、その予防保全を行う上での重要な要素となり、ひいては操業の信頼性を高めることができます。

直面している問題の要因を探る

ウルグアイとアルゼンチンの国境にあるサルト・グランデ水力発電所は、水力発電による電力をウルグアイとアルゼンチンの両国に供給している施設で、サルト・グランデ合同技術委員会(CTM)により管理されています。同施設は、予防診断と操業度差異の特定を目的として、変圧器内の絶縁油中溶解ガスを分析し、継続的に記録している初めての発電所の一つです。

電力用変圧器では、異常が発生している箇所の温度が上昇します。この温度上昇により、変圧器の絶縁油中にガスが発生しますが、ガスの種類や量によって問題の性質を明らかにできます。これにより、変圧器が故障する前に処置を施したり、少なくとも問題の対処方法についてより迅速で、より根拠に基づいた判断を下せるようになります。

サルト・グランデ水力発電所では、2002年に密閉型単相GSU変圧器を設置しましたが、試運転時から過熱の発生が疑われていました。エタンと、それより少量ながらもメタンが発生し、増加していたのです。この変圧器の絶縁油には、高温時に腐食性の硫黄を生成する可能性があるDBDS(ジベンジルジスルフィド)が含まれているため、変圧器の熱の問題は特に懸念されます。

常時監視により全容を把握する

2017年6月、主要な溶解ガスをリアルタイムに計測するために、ヴァイサラ Optimus™ OPT100 DGA常時監視装置が設置されました。この監視装置は変圧器の稼働中に取り付けられ、設置作業に要した時間はわずか半日でした。CTMの変圧器メンテナンスチームは、1年にわたってデータを分析し、変圧器の動作条件と比較することで、相関関係があるかどうかを調べました。さらに、CTMはオイルサンプルを採取し、比較のために自社の試験所で分析しました。

DGA監視装置のデータから、高負荷時にCO2が上昇していることが明確になりました。負荷が低い場合や変動している場合、CO2は安定し続けるか、減少することもありました。これは、変圧器内にホットスポットが生じると、絶縁紙または絶縁油からCO2が生成されている可能性を示していました。

故障のリスクを低減する意思決定をサポート

ヴァイサラ Optimus™ OPT100を設置することで、CTMは、異常のある変圧器に認められるホットスポット発生原因とそれを解決するために必要な是正措置の両方をより正確に特定することができました。既に追加試験に着手し、Optimus™ OPT100を常時監視用として設置し、溶解ガスを正確に、そして一貫した監視を行うことで、より高い水準で制御するに至っています。これにより、より深刻な故障の原因となり得るホットスポットに関わるリスクを低減しています。

CTMの資産管理マネージャーであるEduardo Briosso氏は、「設置して2年が経ちますが、ヴァイサラ Optimus™ OPT100ではまったく問題が発生しておらず、人による操作の必要も消耗品もありませんでした」と述べています。

変電所管理マネージャーもまたその利点を認め、「DGAや水分の常時監視をすることにより、予防保全プログラムを導入するための重要な要素が提供されました」と強調しています。結果として、CTMは自所のネットワークにOptimus™ OPT100常時監視装置を増設するプロセスに入っています。   

 

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